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「北大路魯山人の美 和食の天才」@京都国立近美術館

投稿:2015年9月 7日

「北大路魯山人の美 和食の天才」@京都国立近美術館

http://www.momak.go.jp/Japanese/exhibitionArchive/2015/408.html

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キーワードは「器は料理の着物」

〈和食〉のユネスコ無形文化遺産登録を記念した京都ならではの企画展です。

「魯山人」美食家と魯山人の器はよーくよーく耳にします。が、まとめて観たことはなかったので会期末に行ってきました。

私にとっての魯山人の器と云えば、何必館・京都現代美術館にある魯山人、かの椿のでっかい器です。何入れるん?白い上用饅頭しか思いつかない。

魯山人は、上賀茂神社の社家の家の生まれで、元々は「書家」です。豪快磊落な感じですもの。その魯山人がいろいろあって、この時代は才能があれば「食客」というお金持ちが家に住まわせて食べさせてくれるステータスがあったから。何者になるかもしれぬ若者を家に住まわせて食わせてやるという、書でも篆刻でもして、おいといてやって感じで。そんな中で色んな人との出会いやええ古美術を眼にする機会も多かったでしょう。それが後の魯山人の人生に関わってくるのですね。今の世の様に"せちがらくない"気がします。やがて中村竹四郎と「大雅堂藝術店」という古美術商を営み(食客の頃に眼も舌も十分養っていたのでしょう。) その客たちに店の2階で手料理を供していたものが、会員制「美食倶楽部」なり、やがては魯山人を料理長とする「星岡茶寮」となっていきます。

料理を作って供するのに、この料理はこう盛り付けたい、こんな器に盛りたいと、これまでの器では物足りないものが魯山人にはあったのではないか。繊細な仁清の京焼も真似て作っていますが、魯山人の器は、ごつごつと分厚くてたっぷりとしております。その書や篆刻を体現したかのような器にみえます。魯山人は、その味を知っている舌や胃袋から生まれる大胆な発想の個性的な料理を、自分が焼いたお気に入りの器に盛ったのでしょう。

そこに集まった面々も料理、器をワイワイと愛でながら、美味しい酒を酌み交わしたことでしょう。いいなぁ~~

今の時代なら、生活習慣病とか血液ドロドロとか糖尿病まっしぐらと言われたでしょうね。

今回の展示では、かの足立美術館が魯山人を270点も所蔵している。そのうち120点が展示されています。大観と魯山人が大好き!なーんとなく足立美術館の創業者が見えてきますね。京都の三つの料亭(瓢亭、菊乃井、京都吉兆)のインスタレーションも涼しげだったけれど、やっぱり銀座・久兵衛鮨のカウンターを展示室の一角に再現したインスタレーションでは、唾をゴックンでした。

※コレクション展では、洋画の中の器の作品が展示されていました。静物です。用の器ではありません。

河井寛次郎のセクションにきて、おっ!作品が優しい。そうだ!魯山人の器は攻めている器ではないかと。

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