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「ロイヤルコペンハーゲン ビング オー グレンダール」と「ヴェネツィア展」

投稿:2012年9月19日

2012年9月16日、「ロイヤル コペンハーゲン ビング オー グレンダール展」と「ヴェネツィア展」を鑑賞してきました。

京都へ向かう電車の中から人が多い。「混みそうだな」 そんな予感がする。そこで急遽予定を変更。混むことが見込まれる「ヴェネツィア展」(京都文化博物館)を後回しにして、「ロイヤル コペンハーゲン ビング オー グレンダール展」を鑑賞しに細見美術館へ。

 

ロイヤルコペンハーゲン ビングオーグレンダール展(細見美術館)


この日の岡崎はこんな感じ。

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展示はロイヤル コペンハーゲンから始まります。いきなり日本人との感性の違いが浮き彫りになります。トカゲ、ナメクジ等、作品自体の素晴らしさは別にして、私などは身近に置きたくないデザインの作品が並んでいます。

蝶をデザインした小花瓶。パンフレットを飾っていたのは「青羽蝶小花瓶」ですが、個人的には「紋白蝶小花瓶」が花瓶の青から白へのグラデーションと紋白蝶がマッチしていて好みです。他に「茶羽蝶小花瓶」も展示されていましたが、「青羽蝶小花瓶」、「茶羽蝶小花瓶」共に蝶と言うより蛾の雰囲気に感じられます。また、「蝶小皿」にしても蝶の胴体部分が生々しく、気持ち悪さのほうが先に立ちます。これも感性の違いかもしれません。

植物のデザインでは「三色すみれ文皿」等、素晴らしい作品が揃っています。他に明らかに日本の意匠を真似たものなども展示されています。ロイヤルコペンハーゲンは総体的に静的(おとなしい)作風といえようかと思います。

ビング オー グレンダールは、19世紀半ばの開窯。ロイヤルコペンハーゲンと並ぶデンマークの名窯でしたが、1987年ロイヤルコペンハーゲンに買収されています。

ロイヤルコペンハーゲンを静的とするなら、ビング オー グレンダールは動的。この展覧会のパンフレットの表紙を飾っている「鷺のセンターピース」は見事の一言です。鷺をデザインしたものとしては「鷺のコンポート」も見応えがあります。コンポートというのは足の付いた果物の盛り皿、あるいは、それに似せた花卉のこと。コンポートという名前にレストランで出される煮込んだお菓子を思い出し、些かの空腹を覚えながら鑑賞したのが「一夜茸の花瓶」。「花紋花瓶」は、日本の欄間に見られる透かし彫の技法を導入しているようで実に工夫と創造に富み華麗です。ビング オー グレンダールにも日本の影響と思われる意匠が見られます。

その他、様々な動植物のフィギュリンが展示されていました。

 

陶磁器に出会うVI 塩川コレクション「魅惑の北欧アール・ヌーヴォー ロイヤル コペンハーゲン ビング オー グレンダール」



細見美術館の隣の「ダル満」で昼食。いつも行列ができていて敬遠しているのですが、今日は時間が早かったせいか、スンナリ入れました。

 ところで、9月22,23日は、「京都岡崎レッドカーペット」です。神宮道と沿道一帯に,「パフォーマンス」「グルメ」「アート」をテーマに、歩いて楽しい賑わいと憩いの空間が創出されます。
 

 

魅惑の芸術-千年の都 世界遺産 ヴェネツィア展(京都文化博物館)

細見美術館を後に京都文化美術館へ。予想通り「ヴェネツィア展」は混んでいました。

入場すると、いきなりサンマルコ広場の大きな写真が出迎えてくれます。サンマルコ広場は様々な画家が描いています。ルノアールは、サンマルコ広場の右側に立ち、右にある塔を僅かに入れています。一方荻須高徳は、左に立って、この塔を入れていません。この写真は、サンマルコ広場をほぼ正面から写しており、この展覧会で展示されているチェーザレ・ヴェチェッリオ『サン・マルコ広場の行列』に近いアングルかと思います。

展示は三部構成になっていて、第一部「黄金期」、第二部「華麗なる貴族」、第三部「美の殿堂」となっています。

ドデーンと有翼のライオンの彫刻と巨大な絵画が現れます。サン・マルコのライオンと言われヴェネツィアを護る聖人だそうです。

「ヴェネツィアの眺望」と題された絵画がありました。ヴェネツィアは潟、即ち、「遠浅の海岸で潮がさせば隠れ、ひけば現れるところ」と定義される場所に、杭を打ち込んで築かれた都市なので「水の都」は納得できます。ただ、こう言ってしまうと身も蓋もないのですが、時間の経過と共に打ち込まれた杭は沈下するわけですから、水没の危険は建設当初からの宿命でもあります。

第二部「華麗なる貴族」では、仮面を被った人々や婚礼の様子等が描かれています。華麗なヴェネツィアン グラスも展示されています。螺旋模様の大皿は見応えがあります。

第三部「美の殿堂」は、16世紀から18世紀にかけての絵画です。「ブンタ・デッラ・ドゴーナ付近のカナル・グランデ」が目を惹きます。

なお、京都展 珠玉の一枚は、ドナート・ブラガディンの「製ヒエロニムスと聖アウグスティヌスを伴う聖マルコのライオン」だそうです。 有翼のライオンが幅3メートル以上もある画面におさめられた迫力の一枚です。
 

世界遺産ヴェネツィア展-魅惑の芸術 千年の都-

 

行きは姉小路を歩いたので気が付かなかったのですが、この日「京都アート フリーマッケット」が開催されていました。アチコチ覗いて、地下鉄烏丸御池の駅に。ここで、コントラバスを運んでいる光景に出会いました。コントラバス奏者の方なのでしょうが、珍しくチョッピリ得した気分になりました。

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