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陽明文庫と京都の桜

投稿:2012年4月24日

2012年4月21日、京都国立博物館で開催されている「王朝文化の華-陽明文庫名宝展」を鑑賞した後、京都の桜を眺めてきました。
 

「王朝文化の華-陽明文庫名宝展」

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この展覧会は、5月27日まで行われており、5月6日までが前期、5月8日から後期が始まります。
内容は、圧倒的に文字資料が多く絵画資料等は少ないと言って差し支えないと思います。

重要文化財の「春日鹿曼荼羅図」から始まります。
隣には「藤原鎌足像」、藤原鎌足を中心に左に不比等、右に兄の定恵を配した一幅は、歴史の授業を思い出させます。
国宝の「後二条殿記」は、平安時代後期に活躍した藤原師通の記した日記。展示されている文字資料は皆達筆です。
「近衛家実摂政辞表文書」、鎌倉時代初めの近衛家実が摂政を辞任するときの辞表。面白いものが残っているものです。

次のコーナーが、この展覧会の目玉「御堂関白記」、藤原道長の日記です。道長の自筆本も展示されています。
「御堂関白記」に限らず展示されている日記の多くに京都国立博物館は具注暦に記していると解説しています。具注暦とは、「暦の注(吉凶など)をつぶさに記した暦」と言う意味で、暦法そのものを意味しているわけではありません。
道長の時代の暦法は宣明暦になります。この暦は平安時代の初めから江戸時代の初めまで823年間に渡り使用されています。
当時陰陽寮が頒布した具注暦は各日の間に数行の空白行があり、そこに日記が記されています。記述の多いときは、別の紙に記し継ぎ足しをしています。巻紙ならではの面白い工夫です。
「金銅藤原道長経筒」は、道長が修験者の道場として有名な奈良県大峰山系の山上ヶ岳(1719m)に登り、自ら埋めたと伝えられる経筒です。山上ヶ岳への登山は洞川(奈良県)を起点とします。川瀬谷に架かる清浄大橋を渡った所で女人結界となります。

美しさに見とれるのが国宝「倭漢抄」、 薄い水色や橙色等様々な色合いの上に唐草や鳳凰等の装飾が施された紙が継がれています。紙だけでも優美なのですが、書かれた文字も麗しくうっとりします。

その他沢山ありますが割愛します。絵画資料としては、近世日本画の橋本雅邦、下村観山等も展示されています。
また、人形のコーナーは楽しめます。
 

京都の桜

さて、今日の目的の一つに観桜があります。少ないですが国立博物館の庭内にも八重桜が咲いていました。

少年ジャンプ19号の「こちら亀有公園前派出所」は、京都の桜を取り上げていました。
そこでは、京都のマクドナルドのハンバーガーは「薄味で京風」と記されています。早速七条大橋たもとのマクドナルドに。

「京風ねー?????????????」

もっとも、ハンバーガーを食べるのが十数年ぶりだろうと思うので(何年前に食べたのか思い出せない)、大阪や神戸のハンバーガーの味も忘れてしまっているのですが、ハンバーガーなんて東京では食べたこともないし。あれで京風と言われても…。

「こちら亀有公園前派出所」の京都の桜情報は33ヶ所リストアップされており、そのうち10ヶ所(平野神社、雨宝院、原谷苑、実光院、宇治川背割堤、園光寺、妙覚寺、養源院、向日神社、高野川)が本誌の中で紹介されています。
4月20日、京都新聞の開花情報サイトによると、ここで紹介されている桜の名所の大半は、既に葉桜か散り初めなのですが、雨宝院は満開です。
地下鉄の烏丸今出川から歩いて雨宝院へ。
「こち亀」では、観音桜、歓喜桜、松月は紹介されているのですが、肝心の御衣黄(ぎょいこう、桜の一品種)が紹介されていません。
小さなお寺ですが、桜は見事です。知る人ぞ知る桜の名所。観桜者の殆どがデジタル一眼持参です。
本日、落花盛ん。雨宝院境内の桜の写真です。

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実に見事な御衣黄が咲いていました。その写真です。
本日見頃。御衣黄は黄色の桜。時間が経つとともに、内部よりピンクを帯びてきます。

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平野神社まで歩きます。雨宝院を西に、大報恩寺(千本釈迦堂)へ。
ここの桜は、殆ど散っていましたが数株の八重桜が見頃を迎えていました。

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北野天満宮の北面を抜け平野神社へ。平野神社の桜も終わりです。鳥居の前の枝垂れ桜も殆ど終わり。

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北野白梅町から嵐山電車に乗って仁和寺に。御室の桜は今が見頃。
御室の桜とは、仁和寺の観音堂前一帯にある樹高の低い桜の林をさします。
仁和寺の解説には、桜の下に粘土質の土壌があり、土中に酸素や栄養分が少なく、桜が根をのばせない要因の一つになっている、とあります。さくら祭の期間中は観桜料(500円)が発生しますが、観桜料を払っても見る価値のある桜です。
観音堂周辺にはツツジも咲いていました。

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関連リンク

王朝文化の華-陽明文庫名宝展(京都国立博物館)



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