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京造卒展にいってきました。

投稿:2014年3月21日

3月1日(土)、京都造形芸術大学卒業展 大学院修了展に行ってきました。

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卒展自体は2月22日(土)から開催されていたものの、その週末はあいにく予定が詰まっており、この日の午後に予定を組み込んだのですが・・・

ウワーン失敗した!時間が足りないよう!

夕方から御幸町のギャラリーPARCに『今あなたが「わたし」と指差した方向の行く先を探すことⅢ』を観に行くのにチケットも予約していたし、賞味4時間くらいしか大学に滞在できなかったのです。

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芸術系大学の卒展には今までにも何度か行ったことがあります。
だいたい半日もいれば、気に入った作品もゆっくり見直すこともできるし、満足満足と帰路につけるものです。
でも、それって市内の美術館で開催されているものだからだったんだなぁと今回、造形大卒展に行ってみて感じました。

キャンパス内での展示だから、当然ながら展示場所は学内の各棟・各研究室内。
多くの部屋を行ったり来たり。
また、造形大学は瓜生山を切り崩すことなく、さらにキャンパス内に自生している樹々も伐ることなく建物を建てているため起伏が大きい!(そんな共生の心意気が素敵!)
移動にもちょっと時間がかかります。
私の場合、興味があって最初に目指したクリエイティブ・ライティングコース作品講評会で約1時間ほどを過ごしていたので余計に時間が足りなくなってしまいました。
(話を聞く中で口頭試問後の講評であることがわかりました。一室に卒業生、先生方、学科の下回生、そして私のようなギャラリーが集まり、コメント・質疑応答・講評が繰り広げられます。“書いたもの”はいわば自分の分身です。それについて意見をもらう=自分自身についての感想・評価のように思えてしまうから、ささいな事でも聞きたいような聞きたくないような・・・私も趣味で文章を書いているので理解できます、この場のドキドキ感。また、私も大学では国文学科で学び、卒業論文を書きました。しかし、口頭試問のみだったため、このように自分の作品を読んだ人達とフェイストゥフェイスで質疑応答がなされるということを見たのはとても刺激的でした)。

ちょっと話が飛びましたが見るのに時間がかかっても、学内で卒展を行う意義というのはとても大きなものじゃないでしょうか。
大学前の横断歩道を渡る時に両隣にいたのは、おそらく造形大学を志望する高校生たち。
特に左側にいた男の子たちの会話。
「やっとここまで来たー階段すっげー!」
「来たってだけで嬉しいー!」
テンションの高さが微笑ましいくらいでした。
大学を目指す子たちだけでなく、きっと親御さんたちにとっても、これから自分が学ぶ/我が子が学んだ学舎の中で作品を見れるのは嬉しいものだと想像できます。

さて、講評会の後は時間の許す限り、学内を歩き回り様々な作品を見ていきました。
特にこころに残ったのは望天館屋上で開催されていた『レースシンフォニー』(伊坂美友さんの作品)です。
折よくご本人にも会え、写真の掲載許可も得られたのでここでご紹介。

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私自身、競馬場に行ったことがきっかけで乗馬を始めたという馬好きなので、こころに残ったのかもしれません。
インスタレーションだけでなく、競馬新聞を模した新聞も発行されていました。
新聞の中で語られる伊坂さんの思い出の話―

あの人が競馬を語る時、「競馬はロマンだ」が口癖だった。
京都競馬場の退場ゲートを過ぎたころ、「また来週、次の結果が待っているよ」と笑った姿が目に浮かぶ。

頑張っても頑張っても勝てない馬もいるし、不思議なくらい故障もなく順調に、まさに天からの恵みを一身に受けているような馬もいる。
そんな彼らを私たちは勝手に人生に置き換えて語る。
案外、人生も競馬も同じようなものなんじゃないかと、私も思います。
かくいう私もつい最近、大きな勝負事に負けたばかり。
世の中は努力や夢や想いだけでは叶わないことがたくさんだ。
運があることも実力のうち。
運だけでうまくいくかというとそれもきっと違う。
だから、私たちは次の結果を目指すのだ。

「競馬は終わりのない長編小説だ」

とは作家・寺山修司の言葉。
予想したものと違う展開が起これば推敲して書き直してもいいじゃないか。
私たちが、馬たちが目指すのは、風の向こう側なのだ。

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人間館1階にある@カフェのきなこミルクでひと息ついて大学をあとにしました。
卒業制作作品集や、その他の冊子もお土産でもらったことだし、これからしばらくは作品を楽しむ生活が続きます。
来年はせめてまる1日時間をとって、余裕をもって見に来ようと思います。

京都学生アート 卒業・修了制作展



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