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GALERIE H2O Yoko Sueyoshi exhibition life|中里楓のアーティスティック探訪 28

投稿:2013年11月22日

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“The wood work is surely alive.”

繊細なタッチの線の絵のポストカードを一枚持って、初日の個展に行ってきました。
その絵は、墜落したプロペラ機と木と少年と犬が描かれたものです。

GALERIE H2O
Yoko Sueyoshi exhibition  life
2013.11.12 (tue) – 11.24 (sun) 12:00 – 19:00 休廊日 月曜日

隠れ家的ギャラリーの壁に掲げられているそれらの作品は、ひととしての感情をゆたかに感じることのできるものばかりでした。

『彩り』   丘の上に力強くたたずむ木を見上げる少女 色とりどりの葉が少女を優しく見守る

「この少女にかかわりのあるひとたちの魂が、ひかりの降り注ぐように少女を包み込む…といったものを表現したんです」

絵描き・末吉陽子さんの言葉です。ギャラリーに在廊されていたので、お話をいろいろ聞くことができました。東京を拠点に個展やイベントでの展示を中心に活動されてます。

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線画やアクリル画、木目を活かした作品が並ぶ中、

「はぁ~…これは…」

と感歎のため息がもれ、ただただ見入ってしまう作品があっちこっちに。

『祈り』   少年のオーラがほとばしる 光と闇が木目のなかに 

「…命が宿っている…」

まさしく、この木は生きていると直截的に感じるのです。

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『夕日が沈む場所』   少年と犬と沈む夕日 地上の風景が木の中に

「何億年という地球の記憶の一風景がすでに木の中に描かれて、いる…」

言葉でその描写を表現しようとするボクの、ちっぽけな人間の無力感を思い知らされます、
といってもやみくもに否定的になるということではなく、ただただ、本物の作品の前に立って、
全身で素直に感じるだけでいいのです。

そうすると、美しきものに出会ったと、ざわざわと全身の細胞が喜んでいることに気づくはず。

「これらの木は、使い道のないものばかりなんですよ、工務店とかで製品にならないものなんです」

と末吉陽子さん。

「でもその中にかえって命を感じるものがある、それらをそのまま使ってわたしがほんの少し携わることで、周りの人たちが喜んでくれる作品を作りたい…」

末吉さんは作品を通しての、国境さえも越えた人とのつながりを知ったときの喜びを、とてもうれしそうに語ってくれます。

「たまにですけど、ライブペイントもするんですよ」

とパステル片手に、ロール紙に即興で描いてくれたのがこの絵。

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「なにかリクエストがあれば」

「じゃ…ボクは牡丹を」

「わたしは、優しい手を」

とボクともう一人のお客さんのリクエストを聞いてくれ、スマートフォンで画像を検索した後、
サササッと描き始めました。

「わぁ~…なんて贅沢な時間…」

ボクらのためだけに絵を描いてくれるなんて、ここ数年感じたことのない至福の数分間。

「このお休みの日はどのギャラリーに行こうかな?」

と前日にハガキホルダーにためこんだポストカードをいろいろ確認して、その中の一枚を持ってこの個展に来てよかった~!

「今日も、めっちゃいいもの見た~!」

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