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GALLERY MARONIE SPACE 5 energy flow |中里楓のアーティスティック探訪 21

投稿:2013年10月23日

nakasato201310-10(1).jpg

“ I want to have a look at that work indefinitely.”

この日、三つ目のギャラリー探訪です。
三つ目ともなると、ちょっと疲れてきてアート鑑賞もどうかな、と思うこともあるけど、

「いやいや…これはずっと見ていたい…」

と思わせる作品です。それは、

GALLERY MARONIE SPACE 5
energy flow
- AOI TAMURA exhibition -
2013.10.01 {tue} ~ 10.13 {sun}
12:00 ~ 19:00

です。
白いキャンバスに、三日月形のデザインの水墨画。
作品の前に佇んで、5分ほどずっと眺めていました。

青みがかった墨の濃淡で表現された波は、激しく波打ち白き水しぶきをあげ、
キャンバスとの余白が絶妙な調和を見せている…

「この円形は、潜水艦の窓をイメージしているんです…ちょうどこの展示ギャラリーがこういった
コンクリートの打ちつけなので」

と説明してくれるのは、作家の田村葵さん。上品な雰囲気の美人さんでした。

「これは、水墨画ですね…見た目、青みがかってますけど、どんな墨を使っているんです?」

「こちらの作品は藍墨で、あちらは紫墨を使ってます」

「…いや、あの、今日ここで三つ目なんで、ちょっと疲れて、見るのも億劫かなと思ったんですけど…逆にここに座ってずっと見ていたい…そう思ったんで…墨という素材を使っているだけでしょうけど」

「その墨は、水で漉すことによってその色合いが無限に広がるんです」

そしてキャンバスに余白を残すことによって、自分のこころをそこにゆだねることができる、
と田村葵さんは言います。

すべてを描ききらないことによって生まれる表現の可能性、がそこに残される。
水墨画の不思議な魅力のひとつなんでしょう。

「なるほど…余分なものをとりはらって得られる安心感、だと思いますわ」

「それは禅に通じるものなんじゃないでしょうか」

なんでも制作期間中に禅に関する本を読んでいて、そのエッセンスも作品に表現されているそうです。

「この”energy flow”っていう名前は、どこからつけたんですか」

「これは、描くときの筆先からわたしのエネルギーが流れている、というところからきています…
そして最後にはわたしにプレイバックするということで」

nakasato201310-10(2).jpg

その言葉を表すように、その同じ名を持つ作品には、幼き少女が描かれてます。

「ホントにずっと、ず~っと見ていたい、日本人の琴線に触れる作品」

こころからそう思います。

「や~!今日も最後にいいもの見た~!」



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