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「dreamscape うたかたの扉」 京都芸術センター|中里楓のアーティスティック探訪【11】

投稿:2013年9月 5日

nakasato20130902 (1).jpg

今回は、京都芸術センターの

夏休み企画展 大西康明/松澤有子「dreamscape ─ うたかたの扉」
2013/08/3 ~ 2013/09/16

を見に行ってきました。
京都芸術センターは、以前明倫小学校だった施設です。
今では京都の芸術文化振興の拠点として利用されてます。

「お~、学校じゃん」

その廊下を歩けば、ぎしぎしと木のきしむ音が懐かしく聞こえます。
その先のギャラリー南に入っていくと、そこには大西康明さんの作品がありました。

nakasato20130902 (2).jpg

作品名は、「垂直の隙間」。

「こ、これは…木に白い糸?…しかも、逆さま?」

日常では決して目にすることのない創造物に、またもやボクの脳が理解できずに戸惑っています。
だけどそれはうれしいことで、その戸惑いが鋭い刺激になって、頭の回路がカチカチと動き出すんです。
そして目を凝らして近くで見ると、

「白い糸?それに白い結晶…」

体を引いて全体を見渡せば、

「白い島?だとしたら…棲んでいるのは小さな白い妖精?」

と頭の中で想像が大きく膨らみます。
背後の壁は黒く、さらに際立つ黒線で国境らしきものが描かれ、

「白と黒の境は何だ」

となんの脈絡もなくボクの頭にはこう浮かびました。
少し時間がたって思い浮かんだのは、これは

「三次元の画期的な表現方法」
なのではないか、ということでした。

nakasato20130902 (3).jpg


次はもうひとつのギャラリー北へ。
それは入り口をカーテンで遮断した、暗闇のなかの作品でした。

「な、なにも見えない…ん?あれは…なにか浮かんで…」

nakasato20130902 (4).jpg

こちらは、松澤有子さんの「つむぐ」。

目が暗闇に慣れてくるにつれて、見えてきたのは、

「…ふしぎな…光景…」

無数の透明な葉っぱが、暗闇の宙に浮き、いのちを宿しているかのようにゆらゆらと。
それは非日常空間を生み出す、

“インスタレーション”

と名づけられた技法です。
暗闇のなかに浮かび上がる葉脈は、まさしくいのちを感じさせます。

「なんて、美しい…」

言葉が続きません。
京都の町角のふたつの空間に美が現出していました。

nakasato20130902 (5).jpg

「ファ~!今日もいいもの見た~!」

今回も大満足の展覧会でした。



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