【イベントレポート】KYOTO ART FESTA 「artDive#03」(3)アーティストピックアップ編
実際の展覧会やイベントの様子をご紹介するレポートコーナー。
今回は、大分間をあけてしまいましたが、アートイベント「artDive#03」のレポートの続きです...
KYOTO ART FESTA 「art Dive #03」 @みやこめっせ
(2010/11/13-14)
今回は、前回入れられなかった「個人的に気になった・プッシュしたい」アーティストさんのご紹介をしてみたいと思います。あくまで取材に行ったスタッフSの「個人的」プッシュですので、贔屓目線はどうぞご容赦下さい...。 もし気になる!という方がいた場合、また他の人はどうだったの?と思われた場合は、是非次回のartDive#04を覗きに行ってみて下さいね!
SHAKE ART!
まずは、前回もギャラリー形式の企画展をされていた、関西の美大生団体SHAKE ART!
今回はこれからが楽しみ!な美大生アーティストさんを7名ピックアップされていました。
artDiveは展示・販売の要素がやはり中心となるのですが、「その中で敢えて、じっくり作品を見てもらうギャラリーのようなスペースもあった方がいいと思います。スパイス的な意味でも」と仰っていたのは、SHAKE ART!の代表を務めている塩谷さん。
確かに、周辺のブースと比べると、ちょっと雰囲気が違う感じがしました。じっくりと、腰をすえて作品を眺めたくなる、そんな感じ。ギャラリーや展覧会で感じる空気感に近いものがありました。
かといって、本当にギャラリーなどで見るのに比べると、もっと気軽な感じも受けます。
「どうしてもギャラリーのようなスペースだと、敷居が高くて入りにくい感じが出てしまうんですよね。でもこういう場なら、もっと気軽に、そんなに緊張せずに見てもらえるんじゃないかと思っています」(塩谷さん)
ギャラリーのじっくり作品に向き合える正統派感と、artDiveの持つカジュアルで硬くない雰囲気。その両方の要素を上手に活用されているなあ!と感じました。
塩谷さんと、今回作品を出されていた皆さん(残念ながら一人足りなかったみたいですが;)。
フレッシュな勢いをぐいぐい感じました!今後の活動にも期待大です!
(本当は展示作品を全てご紹介させて頂きたかったのですが、幾つかピックアップさせて頂きました。本当申し訳ない!本当に皆さん素敵な作品でした...!)
■ SHAKE ART!のホームページ http://www.shakeart.jp/
普段はフリーマガジンの編集・発行やイベントの企画・運営などを行っていらっしゃいます。
この後11月末に開催された「萬福寺芸術祭」も運営を担当されていました!
この時に出品されていた作家さんも参加されていましたよ!
→ 萬福寺芸術祭は京都で遊ぼうARTでもご紹介させて頂きました!
佐藤大地さん:『立体絵画美術館』
こちらも前回もご紹介させて戴いた、名画ジオラマを制作している佐藤大地さん!#1~3まで全てに参加されている皆勤賞です。第1回でお会いして以来、すっかり追っかけとなってしまっています(すみません;)
今回は、夏に東京で開催した個展をここで再現したのだそう。
前回(#02)お会いしたときにこれから取り掛かる予定、と仰っていた『オフィーリア』(右写真)もしっかり完成していました。見事!
壁のようなパネルに小さなフレーム、その奥に作品を設置してあり、見るときはフレームから作品覗き込む感じになります。正面から見ると原作の絵そっくり、覗いてみると原作では見えなかったところが見えてくる。名画をモチーフにした立体作品の、その特色を生かした展示と感じました。
何だかそこだけ、小さな名画展が開催されているように見えます。
佐藤さん自身も、「自分のイメージしていた、やりたかった展示の仕方になってきた」とのこと。
「今後は京都でも展覧会をやろうと考えています」と仰っていましたが、
実は12月18日~26日まで、ZEST御池(京都市役所前地下街)内の特設ギャラリー「マグネット・アパート」にて、佐藤さんの展示「立体絵画美術館」を見ることが出来ます!
これまで制作した作品を全て展示されているそうですので、気になった方は是非。
→ 詳しくはこちら!
■ 佐藤大地さんホームページ(クリエイターズバンク)
♭_flat_(フラット)さん:『突き出た脳と作られた脳』
方やペン一本でこれでもか!と描き込まれた細密画、方やデジタルを駆使した幻想的なグラフィック...アナログとデジタルが寄り添いあうその作品には、思わず足を止めてしまいました。
『突き出た脳と作られた脳』とは、前者が手(アナログ)、後者がCG(デジタル)をあらわしているのだそうです。
作品も、アナログの線画とデジタルでカラー化したものが隣接して展示されています。同じようでいて違う、違うようでいて同じ...一見相反するように見えて、表裏一体の如く繋がっているその様は、違うもののようでいて生み出しているのは同じ「人間」なのだ、ということの象徴のように感じました。
面白かったのは、「人気投票で絵を描きます」というもの。
アナログ画とデジタル画、どちらが好きかお客さんに投票してもらい、その投票数の時間だけ、壁面パネルの絵...アナログ票なら左側、デジタル票なら右側を描いていく...という試みでした。(左の写真はちょうど描いてる途中ですね)
お客さん参加型のライブペインティングはちょっと今までなかったかも...かなり新鮮でした。
■ ♭_flat_(フラット)さんホームページ h
竹村健一さん
写真をご覧頂けばわかるかと思いますが、滑らかでつるんとした、CGキャラクターのようなフィギュアたち。実は全部木製なんです!
小さな木の切れ端を少しずつ削りだして作った、立派な木彫。一瞬、大理石か何かかとも思えてしまうような、不思議な質感を生み出しています。
木の節の部分をそのまま生かしてモノアイ(目)にしてしまったり、素材の個性がそのまま生かされているところは木ならではかもしれません。
デジタルっぽい、けど作るのは全て手彫り、手作り。そのギャップがなんとも魅力的でした。
※12月25日まで、京都・寺町のブティック「WHO'S WHO」にて作品展示中だそうです!
■ 竹村健一さんホームページ h
穴澤 郁雄さん:『紙鳥屋』
鳥のペーパークラフトのワークショップをされていた、ペーパークラフト作家さん。
何だか見覚えが、と思っていたら、#01に参加されていた方でした!
個人ブースにいた鷲には何だか再会した気分。一緒にあった丹頂鶴は新作だそうです。
しかし紙とは到底思えないほど精密でリアルな造形にはびっくりです。そして何より...大きい!(鶴は人の背丈と同じくらいありました)
元々は趣味の一貫で始められたそうですが、その作品はどれもとても精密。
出来上がりサイズもほぼ本物と同じくらいになるようになっているとか。確かに、ワークショップで作らせて戴いた小鳥も、顔立ちや体つき、羽や尾羽の形もそれぞれ違っていて、非常にリアル。とても細かい造形に驚かされます。とても可愛い!
ワークショップで作り終わった後も、思わず手のりにしてみたり、肩に乗せたりして遊んでしまいました(笑)(ワークショップでも、とても優しく丁寧に教えて頂きました。本当にありがとうございました!)
ホームページでも作品を公開・キットを販売されていらっしゃるので、一度小鳥作りに挑戦してみてはいかがでしょうか?
■ 穴澤郁雄さんホームページ h
尾上一樹さん:「アナタ」と「ワタシ」の説明書
見つけた時には度肝を抜かれてしまいました。
ブースの前には「説明書」のファイルが置かれており、お客さんはそこに書かれている色々な言葉や台詞を読み上げます。
すると、それに応じてるアーティスト(パフォーマー)さんがパントマイムを演じてくれるというものでした。「たったったっ...」といえば走り、「とう!」といえばジャンプ!といった具合。
これもお客さんが参加してこそ成立する「作品」ですね。
(因みに右の写真は「反省」...確かに有名な「反省」ポーズ)
ある意味「これぞ究極の展示だ...」かも、と思ってしまいました。これは忘れられそうにない...!
(あっという間に人だかりが出来るほどの人気でしたが、流石に連続はしんどかったようで...お疲れ様でした...)
どうしてもブース展示だと机を置いて、作品を並べて...といった「モノ」ありきの形をイメージしてしまいがちですが、こんな展示の仕方もあるのだ、とイベントの幅を広げる役割も果たされていたように感じました。
山本真也さん:『裸婦との声無き対話』
本当に正統派な感じがして、それがかえって目を惹き、新鮮でした。
裸婦、ときくとちょっと抵抗感がある方もいらっしゃるかもしれませんが、要は人間の体の形や動きをモチーフにしているわけで、勢いのある線は静止画のはずなのにモデルがとても活き活きと動いているような、そんな印象を受けました。
他には、カラフルな風景画やペットのチワワ(大変可愛らしい)などもモチーフにされていらっしゃいましたが、全体的に本当に筆が走っている、タッチの勢いを感じました。
「線」の力、がぎゅっと凝縮されて伝わってきます。
ホームページにも色々デッサンやドローイング、クロッキー画を公開されているので、是非そちらもチェックしてみて下さい!
■ 山本真也さんホームページ:h
他にもたくさん、気になる方はいらっしゃったんですが、その中からピックアップしてご紹介させて頂きました。
他の参加アーティストさんは公式ページでチェックすることができますので、是非ご覧下さい!
改めまして、スタッフの皆さん、アーティストの皆さん、本当にお疲れ様でした!
今後の活躍と発展、大いに期待しております!
次回は、5月ですよー!!!
関連リンク
「art Dive #03」公式ホームページ
■ 【投稿レポート】KYOTO ART FESTA artDive#03」(1)
■ 【イベントレポート】KYOTO ART FESTA artDive#03(2)プレイバック編
・ Vol.1(プレイバック編)
・ Vol.2(アーティストピックアップ編)
・ Vol.3(「Alphact」編/パフォーマンスステージで大人気だったアーティストグループへのインタビュー!)