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【祇園祭レポート】山鉾巡行もいいけれど、お神輿もぜひ。(神幸祭)

2011/07/29

一月にわたり続いた祇園祭も、7月31日の「夏越祓(なつごえのはらえ)」でいよいよ終了。
長かったような、でもあっという間だったような、不思議な感じがします。
京都の人のなかには、「祇園祭が過ぎたらもう秋の気がする」なんて言っている人もいたりします(笑)
それだけ、祇園祭=夏として認識している人が多いんですね。

さて、祇園祭のハイライトといえば「山鉾巡行」ですが、これと同じ日に、もうひとつ祇園祭のメインイベントが行われます。
それは「神幸祭」。山鉾巡行の方が派手なのでちょっと影に隠れがちですが、本来は祇園祭においては山鉾巡行よりも重要な行事といえます。
これの様子を17日に見てきましたので、写真を交えてご紹介レポートをしたいと思います。

神幸祭・還幸祭って?

祇園祭=山鉾巡行が本番!と思われがちですが、山鉾巡行は実は本来は前座の行事にあたります。
本来は、八坂神社から御神輿で神様を街にお迎えする「神幸祭」、そして神様を八坂神社へお送りする「還幸祭」が祇園祭のメインイベントなんです。
八坂神社から神様を神輿に乗せ、四条御旅所(新京極・寺町商店街の四条側入口の向かいにあります。普段は「四条センター」としてお土産屋さんのスペースになっています)にお連れする前に、まずその通り道の穢れ(けがれ)や厄を祓い清めるのが、本来の山鉾巡行の役割なのです。
今では山鉾巡行は一日で行われますが、昔は17日と24日の二日にわけて行われていました。
これも24日に還幸祭で八坂神社へ戻る神様の通り道を清めるためのものです。



神幸祭のスタートは、大体18時ごろ。
まず八坂神社の四条通側の門前・石段下(東山四条の交叉点)に三基の神輿(中御座・東御座・西御座)があつまり、掛け声と共に高く担ぎ上げられる「差し上げ」、ぐるりと回転させる「差し回し」が行われます。このときはものすごい人数(1000人は超えるとか)の若衆が集まるのですが、とにかく人が多すぎたのでとても近づけず...
已む無く、四条通の途中で神輿が来るのを待つことにしました。

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しばらくすると、騎馬武者や御神木の行列がやってきました。
これは御神輿の先導役となる久世駒形稚児さんの行列。
祇園祭のお稚児さんといえば長刀鉾のお稚児さんがよく知られていますが、久世駒形のお稚児さんは「神様の使い」そのもの。鉾のお稚児さんよりも位が上なんです。
このお稚児さんだけは、神社に馬に乗ったまま入ることが許されています。
(ちなみにこの場ではタイミングが悪くてお稚児さんが撮影できませんでした...残念。)

ちょっと騎馬武者さんは暑そうでした。そりゃあ、西日のきついなか、厚着の甲冑姿では大変ですよね。本当にお疲れ様です。
ほかの行列の氏子さんたちも、時折保冷材などで首周りを冷やしたり、熱中症対策をされていましたよ(笑)

実はご神木の台の所が用具入れにもなっていて、そこから保冷材を配ってらっしゃいました(笑)
(あとから調べましたが、こちらの人たちは「宮本組」と「豊園社」の神宝行列だそうです)

しばらく待っていると、八坂神社の方が何やら賑やかになり、どんどん通りに人が増えて...
お神輿がやってきました。


あっという間に沢山の氏子さんたちが塊のように押し寄せ、「ホイットー、ホイットー」の掛け声と共に神輿は去っていきました...

撮影時は通りの端にスタンバイしていたのですが、これだけ間近で行列をみることができるんですよ!
山鉾巡行の雅さとはまた違った、勇壮で荒々しい、祇園祭の別の顔を知ることができるかと思います。

このあとこの御神輿(中御座)は、大和大路で道を曲がり、祇園の風情ある白川や巽神社(よくドラマに出てくる小さな川と小さな神社のあるところです)の方へと進んでいきました。

祇園祭で登場する神輿は、皆それぞれ神幸祭・還幸祭での通るルートが違っています。
実際にご覧になる際は、予めルートをご確認の上、行ってみてください!
(ポイントごとに太鼓の奉納演奏や、お神輿を担ぎ上げて回転させる「差し回し」なども見られますよ!)

来年は、山鉾巡行だけでなく、こちらのお神輿にもぜひご注目を!

神幸祭・還幸祭の巡行マップはこちら(公式ホームページ)


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