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【レポート】五条坂・陶器まつりに行ってきました。(8月8日)

2011/08/08

毎年お盆前に陶器の町・五条坂で開催される陶器まつり。
日本では最大規模の陶器市で知られ、この時期に合わせて全国からやきものファン、カフェやレストラン、料亭などの飲食店の方など多くの人が訪れて賑わいます。
今回は、その様子を簡単にですがスタッフがご紹介します!

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陶器まつりは京阪「清水五条」駅を出てすぐ、川端五条~東山五条までの間、五条坂の通りがそのまま会場になっています。特にここから陶器まつり、というゲートのような表示はないのですが、道沿いに露店が並んでいたり、のぼりがあったりしますので、すぐ分かります。
(取材に出かけたのはまだ午前中だったので、この写真だとまだ人は少なめです)


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店は五条通の道路を挟んで両方の通りにあります。北側は元々陶器屋さんの店舗も多いので、上の写真のように、そこがワゴンセールや露店を出していることが多く見られます。ワゴンセールだからといって侮るなかれ。ちゃんとした京焼、清水焼が揃っていますよ!
京焼も、正統派の薄手で絵付け・染付けが施された清水焼から、緑の釉薬が特徴的な織部焼、白磁に青磁に...などなど実に多彩です。

元々この陶器まつりは、大谷霊廟や六道珍皇寺へのお盆時期の参拝客を相手に、陶器屋さんや窯元、いわゆるB級品や通常価格では売りにくいもの(大下げ、とも言います)を出したのが始まりこれは、ある意味昔ながらの陶器市の様子を伝えてくれているのかしれませんね。

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五条坂のちょうど真ん中のあたりにある若宮八幡宮。
清水・五条坂近辺の人たちにとっては特に身近な神様。(この辺に住んでいた方はよく境内を遊び場にされていたそうです)
陶器の神様も祭られているため、周辺の陶芸家さんたちからは厚い信仰をあつめてきました。
陶器まつりの際は、こちらでも祭礼が行われ、おみこしも出ます。
この隣の路地にも露店が多く出ていましたよ。

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南側は個人の作家さんや窯元が直接出店しているところが多いようでした。
(もちろん、北側エリアにも作家さんが個人出店されてるところもありました)
京都はもちろんですが、滋賀(信楽)や唐津(佐賀)、沖縄のやちむん焼の作家さんもいらっしゃいましたよ!
若い作家さん(それこそ、最近芸大を卒業されたような方)も参加されており、創作陶器も多く置かれていました。作家作品といっても、大体1000円以下のちょっとしたものから万単位レベルの大作までラインナップは幅広く揃っています。
大体相場は1000円程度から高くて5000円程度が殆ど。
あまりかしこまらずに、気軽に作家作品を手に入れられるのも、陶器まつりの魅力です。
またこのエリアでは、有名カフェで使用している食器を提供されている方もいらっしゃいました。あの憧れのカフェをおうちで再現!もできるかも...?

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南側エリアの途中にある六兵衛窯。江戸時代から続く陶芸の家・清水六兵衛家の窯です。
(ちなみに、河井寛次郎記念館の登り窯も下は清水六兵衛家のもので、当時のご主人が寛次郎さんに譲ったものだそうです)
こちらも特設の販売スペースを設置して参加されていました。普段は窯元に直接入る機会は少ないかもしれませんが、こんなイベントの日なら、気軽に有名な窯の作品に触れることができるんです。
(通常は、奥のギャラリーで作品を販売されています。また、右手奥には蔵を利用した展示スペースもあり、歴代の作品を一定期間ごとに入れ替えて展示されています。店舗でお声かけすると見せていただけるので、機会があればぜひ!)

さて、百聞は一見にしかず!
取材スタッフも今回は実際に作品を購入させていただきましたよ。

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スタッフSのセレクトはこちら。
黒いのはお茶碗。京都造形芸大出身の作家さんの作品で、釉薬を使わない「炭化焼締」の手法で作られたもの。釜の中の炎によって一つ一つ微妙に違った焼加減で表情が生まれます。備前焼が有名ですね。
シンプルなものなので、真っ白なご飯を盛ってもよし、アイスクリームや果物を持ってもよさそうです。
下の角皿は修学院の社会福祉法人の作品。色粘土を組み合わせて模様を作る「練りこみ技法」で作られたもので、ポップでかわいらしいデザインが印象的です。(ほかにこの技法の作品を売っているところはなかったので、ここだけかも?)

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取材に一緒に行ってくれた京遊本舗担当のスタッフBのセレクトはこちら。
右奥のマグカップはモダンなデザインですが、清水焼。
日展に史上最年少で入選された方の作品だそうです。見た目は重そうですが、手に持ってみるとびっくりするくらい軽くて、かつ丈夫。また、持ち手に切れ目が入っていますが、これはぬれても滑りにくくなるようにという工夫だそうです。冷たいものを入れると表面に水滴がつくので、それもまた景色として楽しめます。

さて、これから行く方へ少しアドバイスを。
会場はなかなか日陰になるスペースはないので、熱中症になる危険があります。帽子&飲み物は必須。しんどくなったら、周辺にはコンビニや冷房のきいた店舗もあるので、遠慮せずにいったん中に入りましょう。
また、日傘を持っていらっしゃる方も多いのですが、道は露店がある分とても狭くなっています。人通りも多いので傘はかえって邪魔になりますし危険です。日傘はご遠慮を。
また、写真の撮影は露店によっては禁止、というところもありますのでご注意を。お店の展示を撮影したいときは、一言お声をお店の人にかけてくださいね。

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参加されている作家さんには、毎年の常連さんや、ほかの陶器市、手作り市(天神市や弘法市などなど)に参加されていらっしゃる方もいます。
ここでお気に入りの作家さんを探して見るのもありです。
また、販売品には、陶器のほかにもガラスのアクセサリーや、盆栽、着物にカバン、アンティークなどもあります。ちょっと散歩がてらのぞくだけでも楽しいですよ!

開催は8月10日(水)まで。夜遅くまでお店は開いているので、お時間ある方はぜひ、のぞきに行ってみてください!

関連リンク

京都五条坂陶器まつりについてはこちら!


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