Exhibitions展覧会
京都の巨匠・木島櫻谷 画三昧の生涯
近世の伝統を受け継ぎながら徹底した写生を礎に独自の画境を切り拓いた、近代京都を代表する日本画家・木島櫻谷(このしま・おうこく)。この度福田美術館と嵯峨嵐山文華館では、2021年の「木島櫻谷展」から約3年半の時を経て、満を持して櫻谷の回顧展を開催します。
京都の三条室町に生まれた木島櫻谷は、16歳から花鳥画を得意とする今尾景年に師事し、徹底した写生を礎に若くして画名を知られるようになります。当時の絵の勉強と言えば手本通りに対象を描き写す方法が主流でしたが、櫻谷は歴史画を得意とする菊池容斎に私淑し、洋画家の浅井忠とも交流するなど、ジャンルを問わず幅広い芸術に造詣を深めていました。こうした努力が実を結び、櫻谷は文展で動物画・歴史画・風俗画と多岐にわたる画題で6年連続上位入賞を果たしました。
あまり他人との関わりを好まなかった大正2年(1913)、櫻谷は京都の市中から離れ、北西部の衣笠へ移住。制作の傍ら、趣味の詩書に心を寄せる隠居生活を送りました。一方で帝展の審査員を務め、海外の展覧会にも出品を依頼されるなど、京都を代表する画家としてゆるぎない地位を築きました。
本展では、櫻谷の到達点を示す代表作はもちろん、新収蔵品の数々もあわせて紹介。櫻谷の師・今尾景年をはじめとする櫻谷と交流のあった周辺の画家たちの作品も取り上げ、櫻谷芸術の源流、そして生涯画家であり続けた櫻谷の人となりにも焦点を当てます。近年再評価が高まる木島櫻谷の魅力を、この機会にじっくりとご堪能下さい。
第1会場:福田美術館
福田美術館では櫻谷の生涯をたどりながら、初期から晩年までの展覧会出品作・代表作を、櫻谷と関連のある画家の作品と併せて展示します。
若き日の意欲作《細雨・落葉》や、第6回文展の出品作《寒月》(京都市美術館蔵・2週間限定展示)、第7回文展の出品作《駅路之春》、そして100年以上の間行方不明だった櫻谷と岸竹堂の共作《嵐山清流》も紹介。精緻で優美な作品をお楽しみください。
また、パノラマギャラリーでは、櫻谷の扇絵3点のほか、櫻谷をはじめ今尾景年や竹内栖鳳、菊池契月、神坂雪佳など同時期に京都を中心に活躍した画家たちが団扇12幅を掛軸に見立てて描いたユニークな作品をご紹介します。
第2会場:嵯峨嵐山文華館
嵯峨嵐山文華館では、衣笠の地で活動した櫻谷をはじめとする画家たちに注目します。
櫻谷が拠点を移した衣笠は、街中の喧騒を離れた感性で自然豊かな環境でした。それが作品制作に適していたのか、櫻谷に続いて同時代の多くの画家たちが集い、いつしか衣笠は「絵描き村」と呼ばれるようになりました。
ここでは菊池芳文・契月父子や堂本印象、小野竹喬など衣笠にアトリエを構えた画家たちの作品を取り上げるとともに、櫻谷が取り組んだ多様な画や、人となりが偲ばれる書作品を紹介。また、櫻谷の息遣いを感じられる帽子・トランクなどの遺愛品も公開します。
展覧会概要
期間 | 2025/04/26(土) 〜 2025/07/06(日) |
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会場・開催場所 |
福田美術館
嵯峨嵐山文華館 |
時間 | 10:00~17:00(入館は16:30まで) |
休館日 | 5/13(火)、6/3(火)、6/17(火) |
料金 | 一般・大学生:1,500円(1,400円) 高校生:900円(800円) 小中学生:500円(400円) 障がい者手帳等をお持ちの方と介添者1名:各900円(800円) ※()内は20名以上の団体料金です ※幼児無料 【二館共通券】 一般・大学生:2,300円 高校生:1,300円 小中学生: 750円 障がい者手帳等をお持ちの方と介添者1名:各1,300円 ※その他チケットについては福田美術館のホームページをご確認ください。 |
注意事項等 | |
お問い合わせ | TEL:075-863-0606075-863-0606 |
info@fukuda-art-museum.jp | |
ホームページ | https://fukuda-art-museum.jp/ |
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