色男たちは、プロ集団だった。幸福すぎる拷問。 一号です。先日6/5、菊地成孔とペ...

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【ライヴレポート】菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラール 結成5周年記念ツアー「1000年後の南米のエリザベス・テイラー」【公演情報アリ!】

スタッフ1号

スタッフ1号 (2010年6月 9日 15:44)

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色男たちは、プロ集団だった。幸福すぎる拷問。

一号です。先日6/5、菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラールの結成5周年コンサート「1000年後のエリザベス・テイラー」に行ってきましたので、レポートを上梓いたします。


口ロロ - KBSホールにおける「異文化コミュニケーション」


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まずは□□□から。お決まりのユニフォームに身を包んだ4人が登壇し、アクトはサクサク進む。音楽とともにあたりに見慣れた縦揺れが生まれ、今夜もいい感じだと思う。

気になるのはやはりいとうせいこう氏。昨年加入し、もはやメンバーとしてすっかり馴染んでいる様子。もともとの□□□のグルーヴに何ら違和感なくパフォーマンスをねじ込んで、掛け算的に面白くするあたりはやっぱり手腕のすごさを感じる。何より、iPhoneをいじりながらライヴするアーティストはだいぶ増えたけど、iPadをメイン機材として使っている人は初めて見ました(しかも3G版)。一番キャリアが長い人が一番新しいことをしているという面白さ。

もちろん若いメンバー二人も負けていません。ベースとMacbookを駆使して心地いいビートを作る村田シゲ氏、抜ける声でうたい、リリックを繰り出す三浦康嗣氏。三浦氏といとう氏による『ヒップホップの初期衝動』のダブルラップなんか本当に胸踊る。菊地成孔のファンと思わしき人も彼らのコールアンドレスポンスにノッて叫んでるのがGoodでした。

MCで「客層が違いすぎてどうなることやら」と思っていたと素直に述べた三浦氏。それもそのはず、年齢層、服装、ムード。□□□と菊地成孔のファンは、見てからに何から何まで全然違う。その違いを「最高の異文化コミュニケーション」と称してましたが、全くその通り。その「異文化コミュニケーション」を一番楽しんでいたのは□□□のメンバーだったのではないかな。そんなシーンを見れてこちらも嬉しい、そんなステージでした。


<セットリスト>

1.costura

2.moonight lovers

3.Love me

4.AM 2:08

5.ヒップホップの初期衝動

6.00:00:00

7.slightly confused

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菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラール - 最高の仕事、最高の音楽


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「ペペ・トルメント・アスカラール」を略するとPTAになる、という絶望的な思いつきはともかく(真逆過ぎる)、口ロロが終わってあっという間に舞台転換が終わり、菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラールが登場。

礼服に蝶ネクタイというドレスコードでメンバーがステージに上がった瞬間、会場全体が夜になった気がした。それも「悪夢のように楽しい夜がこれからはじまるよ」とでも言わんばかりの、この雰囲気。体験したことのないような空気。なんだか自分がちっぽけな子供の頃に戻ってしまったような無防備感。

それもそのはず、相手はプロだ。色男(ペペ)たちの音楽は、この上なく「プロの犯行」だった。一音目から「もうどうにでもしてくれ」と思ってしまう和声進行、しれっとした顔で指揮をする菊地成孔。そして、一度サックスを手にとるとーー「いい」とか「すてき」とか、信用している自分自身の感性が根こそぎオーケストラに奪われる。あえて声に出して言うなら「素晴らしい」。もはや素晴らしいと思う以外に選択肢のない、完璧な演奏。MCなんか一言もありませんが、それでも目を離せない。こういうコンセントレーションの要請は、たいへんよく練られた文学作品で体験したことはあっても、音楽(しかもライヴ)で体験したことはありません。

またメンバーも、楽団員としてのロールをこなしながらもとてもいい仕事をしていました。この場を借りて言えば、徳澤青弦さんが私はとても好きですが、タキシードで弦セクをまとめ上げている姿はしびれるくらいカッコイイ。そして弦セクには入らない、「ジャズ要素としての」鳥越さんのコントラバスがたまらない。そして要所要所でスポットライトが当たる早川さんは、その都度期待に応えるパフォーマンス。さすがの一言。

私は、菊地成孔の率いるこのオーケストラの演奏を聴いてはじめて「お金をとっていい音楽」とはどういうものか、わかった気がします。それくらい他とは違うレベルの演奏でした。満足。大満足。

演奏終了後、ステージ上では終始無言だった菊地氏が「ありがとうございました」とだけ言ってステージを去って本編終了。メンバー紹介もなしか、カッコ良すぎるなと思いきやアンコールではマシンガントークが炸裂。ここでは書けないとんでもないことを口走りながらも「嘘ですからね」と繰り返す天丼は反則でした。

そして公演終了後は菊地成孔サイン会と、どれだけこの人はプロなのだろう、と思わされた一夜でした。かないません、本当に。


<セットリスト>

1.導引

2.はなればなれに~アルファヴィル

3.バターフィールド8

4.京マチ子の夜

5.パリのエリザベス・テーラー

6.大天使のように

7.嵐が丘

8.キリングタイム

9.儀式

10.ルペ・ベレスの葬儀

11.8 1/2

<アンコール>

1.メウ・アミーゴ・トム・ジョビン

2.時さえ忘れて

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まだ間に合う。明日のリキッドルームで拷問を受けよう。

そんな拷問のプロ集団が、なんと今度はデデ様とタッグを組んでリキッドルームを砂糖漬けにしてしまうようです。東京の人、どうですか。京都の人、たまには「そうだ、東京、行こう」もいいんじゃないでしょうか(by アンコール前の菊地氏)


◆6月9日(水)恵比寿LIQUIDROOM
LIVE:菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラール special guest:林正子(ソプラノ) / DE DE MOUSE

DJ:菊地成孔 / 三浦康嗣(□□□)

OPEN/START 19:00
前売り \4,000 当日 \4,500

□チケット発売中
チケットぴあ:0570-02-9999[Pコード:349-710]<チケット購入ページへ>
ローソンチケット:0570-084-003[Lコード:79829]
0570-000-777(音声対応)
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お問い合わせ:サンライズプロモーション東京 0570-00-3337



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