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2023年度の祇園祭山鉾巡行・及び関連行事(宵山等)は本来の形にて開催予定です。
※状況によりやむを得ず予定が変更となる場合がございます。詳細・最新情報については公益財団法人祇園祭山鉾連合会及び各山鉾町のホームページ等をご確認ください。

祇園祭 2023

〜 京都の街中がミュージアム! 〜

ちまき粽とは

粽(ちまき)って何?

祇園祭の名物のひとつ「粽(ちまき)」。
ちまき、と聞くと食べ物を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、祇園祭のちまきは食べ物ではなく、笹の葉で作られた厄病・災難除けのお守りです。毎年祇園祭のときにだけ各山鉾のお会所や八坂神社で販売され、京都では多くの人がこれを買い求め一年間玄関先に飾ります。京都の町を歩くと、普通の民家の玄関の上に飾られているのをよく見かけます。

粽(ちまき)の由来

この粽は、八坂神社さんの主祭神である牛頭天王(スサノオノミコトとされている場合も※1)に由来します。
昔、蘇民将来という男の家に、旅人に身をやつした牛頭天王が訪ねてきて、一夜の宿を求めました。蘇民は貧乏でしたが、それでも手厚くもてなします。牛頭天王はその心遣いに大変喜んで、そのお礼に「今後お前の子孫は末代まで私が護ってやろう。目印に腰に茅の輪をつけていなさい」言い残して去っていきました。
そのお陰で後に疫病が流行った際も、蘇民の一族は 生き残り繁栄した…ということです。

このときの護符になった茅の輪は「茅」を束ねて「巻」いたものです。そこで「茅巻(ちまき)」と呼ばれるようになり、それを同じ発音の「粽(ちまき)」と音を担いで、現在のような束状の粽が厄除けのお守りとして作られるようになりました。また、粽には「蘇民将来子孫也」という護符がつけられています。これは「私は蘇民将来の子孫です。なので病気や災いから護って下さい」という意味が込められています。元々疫病を鎮める祭だった祇園祭のルーツが、粽 にはあるんですね。

※1. 牛頭天王とスサノオは元々別の神様でしたが、後に同じ神として同一視されたため、同じ話でも牛頭天王とされたりスサノオとされたりしている場合があります。
※2. 6月30日に京都のあちこちの神社では「夏越祓(なごしのはらい)」という行事で大きな茅の輪をつくりそこをくぐって厄払いをする風習がありますが、これもこの言い伝えに由来しています。
(祇園祭でも最終日の7月31日に八坂神社で行われます。また、役行者山の会所では粽のかたちになる前の茅の輪がお守りとして売られていたり、茅の輪くぐりをすることができたりします)

粽(ちまき)にも個性が!

粽(ちまき)は各山鉾の会所で販売されますが、実はそれぞれ個性があります。熨斗(のし)のような紙でくるまれていたり、御幣のような飾りがついていたり。可愛い梅や桜の花飾りがついているもの、お守りや絵馬がおまけでついているもの、などなど…
また、粽を買うと山鉾に実際に乗せてもらえるところもありますよ!
※山鉾の位置など詳細は「 山鉾マップ」の各解説でご確認ください!

特に個性的!な山の粽(ちまき)

山や鉾で販売される粽・護符には、通常の厄除けのほか、由来に合わせた色々なご利益があります!
自分に合ったご利益を目当てに山鉾めぐりに行ってみる、というのもよいのでは?
(特にここに上げられていない山・鉾は厄除け全般・疫病除けのご利益があります)

  • 役行者山:疫病除け・交通安全 ・安産
  • 鈴鹿山:盗難除け・安産
  • 八幡山:夜泣き封じ・子供の健康・夫婦円満
  • 黒主山:泥棒・悪事除け
  • 浄妙山:勝運向上
  • 鯉山:立身出世・開運・家内安全
  • 霰天神山:雷除け、火災除け
  • 占出山:安産
  • 郭巨山:金運向上
  • 孟宗山:親孝行
  • 油天神山:学問成就
  • 木賊山:迷子除け・再会
  • 船鉾:安産
  • 白楽天山:学問成就、招福除災
  • 太子山:学問成就・知恵を授かる、身代わり
  • 保昌山:縁結び
  • 菊水鉾:不老長寿・商売繁盛
  • 岩戸山:開運
  • 山伏山:雷除け
  • 芦刈山:縁結び・夫婦円満
  • 綾傘鉾:安産・縁結び
  • 四条傘鉾:招福厄除
  • 大船鉾:安産
  • (布袋山:子孫繁栄・壽福増長)

粽だけにとどまらない!山鉾限定グッズ

祇園祭の山鉾では、粽以外にもさまざまな特製グッズを販売しています。なかにはグッズのコレクションをされている方もいるようなものも!ここでは、特徴的なものを幾つかご紹介します。

※ 販売品データは昨年度までの情報を元に作成しています。山鉾によっては販売を終了したもの、値段が変更されているものがある可能性がございます。詳細は現地にてご確認をお願いいたします。

1 手ぬぐい

ほとんどの山鉾で売られている「手ぬぐい」。それぞれデザインが異なるほか、毎年新作を発売している山鉾もあるため、コレクションしている方も多いようです。中には有名な画家などにデザインを依頼した品もあります。値段は500円~1,000円程度が相場。

2 ストラップ

大きな粽は家に飾れない…という方には小さな粽のついたストラップはいかがでしょうか。持ち運び可能な厄除けグッズとして毎年人気です。浄妙山や菊水鉾などで扱われています。もちろん販売されている山鉾町によってデザインが違います。

3 お守り

各山鉾には、粽とは別に由来にあわせたご利益のお守りや護符が販売されています。 シンプルな通常の袋入りお守りから、ユニークな形やデザインのものまで様々。毎年目当てのご利益の山鉾に通い、お守りを授けていただくという京都人も多いようです。ここでは特に個性派なものをご紹介します。

  • 保昌山の「縁結びお守り」
    恋物語を由来に持つ保昌山のご利益は「縁結び」。お守りはいくつか種類があり、カップルでおそろいで持ち歩けるタイプや、財布に入れておける紙製のものなどが用意されています。あしらわれた梅の花も可愛い、女性に人気のお守りです。
  • 弁慶の力縄
    橋弁慶山限定の、縄を輪状に編んだお守り。弁慶が足に縄を巻いていたことに由来し、力強く健康になるように、という願いが込められています。子供が生まれた家へのお土産にも良さそうです。
  • 八幡山の鳩笛・鳩鈴
    八幡山のシンボル・鳩を象った土笛と土鈴。特に子供の夜鳴き封じに効果があるとされ、古くから親しまれてきました。ころんと丸い形につぶらな瞳が描かれた、マスコット風の可愛いグッズです。ピンクと白の2色があり、大きさも選べます。
  • 船鉾、大船鉾、占出山の腹帯
    船鉾や大船鉾、占出山に祭られている「神功皇后」は、子供を身ごもったまま戦に出かけ、戻ってきて無事出産した、という言い伝えがあることから、安産のご利益があるとされます。巡行の際にご神体に実際にまかれた布が、後にお守りとして授与されています。身近に赤ちゃんが生まれそうな方がいたら、贈ってみてはいかがでしょうか。