Exhibitions展覧会

企画展「和紙と綿棒が織りなす百人一首 八センチの世界」

2013/05/21(火) 〜 2013/07/21(日)

嵯峨嵐山文華館 

人形作家・伊藤壽子さんは、難病・筋ジストロフィーで2人の息子さんを亡くされています。子どもたちとの闘病生活の中で和紙人形と出会った伊藤さんは、小さな人形にわが子への想いを乗せて制作を続けています。今回の企画展では、伊藤さんによる百人一首や平安時代をモチーフとした繊細で優美な和紙人形をご紹介します。

【作品画像】
(1)第89番 式子内親王「玉のをよ たえねばたえね ながらへば 忍ぶることの 弱りもぞする」 ※チラシ画像
(2)第25番 三条右大臣「名にしおはば 逢坂山のさねかずら 人に知られで くるよしもがな」
(3)第91番 後京極摂政前太政大臣「きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに 衣かたしき ひとりかもねむ」
(4)第97番 権中納言定家「来ぬ人を まつほの浦の夕なぎに 焼くや藻塩の 身もこがれつつ」


今回の企画展では、百人一首や平安時代の文化を素材とした繊細で優美な和紙人形の世界をご紹介します。

作りびとの伊藤壽子さんは、兵庫県伊丹市在住で、全身の筋肉が徐々に衰えていく難病・筋ジストロフィーにより、長男と次男を亡くしました。
長男の闘病生活のなか、伊藤さんは帯の中に手が入った和紙の姉様人形(あねさまにんぎょう)に出会います。「人形の世界にも障害者が…」という障害の子がいなければ感じなかった、親の強い想い。
そして同じ病気で入院中の次男が千代紙と綿棒で作ったひな人形をとても喜んでくれたことが、伊藤さんの和紙人形づくりの大きな出発点となりました。

百人一首の歌の場面を8センチの和紙人形で再現した作品には、伊藤さんのわが子への想いが込められています。人形の顔や体には綿棒を使い、衣装は色とりどりの和紙で精巧に作りこまれています。和歌に登場する動物や植物も全て手づくりで、百人一首の豊かな世界観を見事に表現しています。

亡き息子たちへの想いと絶えることのない情熱で人形創作を続ける伊藤さんの作品を、この機会にご覧ください。



作りびと・伊藤壽子(いとう・ひさこ)


昭和27年(1952)石川県生まれ。地域活動センター(障害者作業所)NPO法人「ポポの家」所長。
難病・筋ジストロフィーの2人の子どもとの闘病生活の中で和紙人形と出会う。平成13年(2001)から4年の歳月をかけて百人一首の100体の和紙人形を完成させ、作品「雅楽」が平成19年(2007)宝鏡寺人形展50周年記念「人形公募作品展」で入選する。尼崎市や伊丹市、川西市などで定期的に作品展を開催している。

展覧会概要

期間 2013/05/21(火) 〜 2013/07/21(日)
会場・開催場所 嵯峨嵐山文華館
時間 10:00~17:00
休館日 月曜日(祝日の場合は開館、翌平日休館)
料金 一般(高校生以上):500円(400円)
小中学生:300円(250円)
注意事項等 ※()内は20名以上の団体料金です。 ※身体障害者手帳などをお持ちの方は無料です(介護者含む)
お問い合わせ TEL:075-882-1111075-882-1111
FAX:075-882-1103
E-Mail ogura@kyo.or.jp
ホームページ http://ww.shigureden.or.jp

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