Exhibitions展覧会

うるしの近代 ― 京都、「工芸」前夜から

2014/07/19(土) 〜 2014/08/24(日)

京都国立近代美術館 

京都を代表する伝統工芸「漆芸」にスポットを当て、日本の「工芸」のへの新たな視点を探ります。京塗を代表する塗師・木村表斎をはじめ、近代工芸の革新に寄与した浅井忠と神坂雪佳などの作品を海外の美術館からの里帰り品が含めて一堂に展示されるまたとない展覧会です。

【作品画像】
(1)浅井忠・案、杉林古香・作《鶏梅蒔絵文庫》明治39年、京都国立近代美術館
(2)神坂祐吉《月象之図 硯付手箱》大正期、京都国立近代美術館
(3)江馬長閑《草花色蒔絵大棗》大正~昭和初期、静嘉堂文庫美術館
(4)戸嶌光孚《松楓蒔絵文台硯箱》大正9年頃、公益財団法人山階鳥類研究所(学習院大学史料館保管)
(5)迎田秋悦《杉藤蒔絵重硯箱》大正9年


深い漆黒のつや、華やかな朱色、金や銀の輝き、虹色に光る貝…
うるしの木から採れる樹液を使って器の表面を塗り重ね、蒔絵などの装飾を施す漆芸には、ほかに無い独特の美しさがあります。
日常で用いる椀などの食器や、硯箱などの文房具、棚などの家具にいたるまで、漆は日本人の生活に関わるあらゆるものに用いられ、はるか昔から暮らしを豊かに彩ってきました。

この展覧会では、特にこれまでまとまった形で紹介されることが少なかった京都の動向にスポットをあてて、近代における日本の漆芸について紹介します。
明治時代、日本の近代化はさまざまな形で西洋の文明を取り入れることから始まりました。「美術」や「工芸」という言葉も、この頃に西洋美術の翻訳語として生まれたものです。そして、京都の漆芸界は、このような東京中心の新しい美術のあり方に大きな影響を受けつつも、一方では洗練された遊びの世界から日常の器にいたるまで、「工芸」という言葉が生まれる以前のものづくりの伝統を脈々と受け継いできたのです。

展覧会では、京塗を代表する塗師の木村表斎(きむら・ひょうさい)や、明治の蒔絵師として名高い富田幸七(とみた・こうしち)、近代工芸の革新に中心的な役割を果たした浅井忠(あさい・ちゅう)と神坂雪佳(かみさか・せっか)という2人の図案家、そして彼らの指導を受け、それぞれが京都を代表する漆芸家となった迎田秋悦(こうだ・しゅうえつ)、戸嶌光孚(とじま・こうふ)などの作品を、海外の美術館からの里帰り品も含め一堂に展示。
また、美術的な切り口だけでなく、産業としての側面にも注目します。幕末から明治、そして大正・昭和にいたるまでの京都の漆の近代化を考えることで、「工芸」への新たな視点を探ります。

展覧会概要

期間 2014/07/19(土) 〜 2014/08/24(日)
会場・開催場所 京都国立近代美術館
時間 9:30~17:00(入館は16:30まで)
休館日 月曜日(ただし、7月21日(月・祝)は開館、22日は休館)
料金 一般:900円(前売700円/団体600円)
大学生:500円(350円/250円)
高校生以下(18歳未満):無料
注意事項等 ※団体は20名以上 ※心身に障がいのある方と付添者1名は無料(入館時に証明できるものをご提示ください) ※上記料金でコレクション展もご覧いただけます。
お問い合わせ TEL:075-761-4111075-761-4111
E-Mail info@ma7.momak.go.jp
ホームページ http://www.momak.go.jp/

関連アートイベント

該当するアートイベントはございません。

関連記事

該当する記事はございません。