Exhibitions展覧会

ローマ追想――19世紀写真と旅

2010/05/20(木) 〜 2010/06/27(日)

京都国立近代美術館 

西欧文明圏の中心、「永遠の都」として語り継がれたローマ。19世紀以降ローマには交通機関(鉄道)の近代化で数多くの旅行者が訪れるようになり、同時期に普及したカメラで多くの写真が撮影されました。展覧会ではイタリア・モデナの写真美術館寄託の19世紀写真コレクションから、遺跡などローマの名所旧跡を撮影した貴重なオリジナルプリント約130点を京都国立近代美術館の所蔵資料と併せて展示します。

イタリアの首都・ローマは、都市国家から巨大帝国へと発展した古代ローマ時代から、キリスト教美術の中心地であった教皇領時代を通じて、西欧文明圏の中心的存在、「永遠の都」として語り継がれてきました。

悠久の歴史を誇り、絵画や文学、そして映画など数多くの芸術作品のなかで描かれてきたローマは、18世紀以降イギリスの貴族階級による遊学旅行「グランド・ツアー」の主要な訪問先として知られ、19世紀には国家統一の動乱を経験しながらも、交通機関の近代化に伴うツーリズムの隆盛もあり、大量の一般旅行者を受け入れるようになります。

19世紀、ヨーロッパの人々にとって遠方への観光旅行を容易にしたのが、鉄道の建設ラッシュでした。イギリスでは、近代ツーリズムの祖、トーマス・クックが鉄道による観光旅行を企画して大成功を収めています。


同様に、「未知なる異境の地を視ること」への欲望によって実現したもう一つの発明が写真術(カメラ)でした。
ちょうどイタリアに鉄道が開通した頃、1839年パリでダゲレオタイプの写真術が発表されると、写真は瞬く間にヨーロッパ各国へと普及し、当時主流だった版画に代わって旅を記録する上で重要な役割を担うようになります。
当時のローマでは古代遺跡の発掘調査・保存活動が飛躍的に進み、写真家たちは古代の都の残影を求めてこぞってこの地を訪れました。紀行文学や絵画から得たイメージを重ね合わせ幻想の街として撮影されたこれらの写真は、旅行案内として一般に普及し、近代以降の「ローマ」のイメージの原型となっています。

この展覧会では、イタリア・モデナの写真美術館に寄託された19世紀写真のコレクションから厳選した、コロッセオ、凱旋門、教会建築などローマの名所旧跡を撮影した約130点の貴重なオリジナル・プリントを、日本人画家の渡欧手記など京都国立近代美術館の所蔵資料等とあわせて展示します。

19世紀、人々がローマという街に抱いた憧れを、写真を通して追体験してみて下さい。

展覧会概要

期間 2010/05/20(木) 〜 2010/06/27(日)
会場・開催場所 京都国立近代美術館
時間 9:30~17:00(金曜日は~20:00/入館は閉館30分前まで)
休館日 休館日:月曜日
料金 一般:700円(500円)
大学生:450円(250円)
高校生以下:無料

※同時開催の稲垣仲静・稔次郎兄弟展(5/18~6/27、4F展示室)と併せてご覧になる場合は、一般1000円・大学生500円となります。
注意事項等 ※団体は20名以上 ※前売券はございません。 ※尚、会期中4Fコレクション・ギャラリー(常設展)は開催しておりません。
お問い合わせ TEL:075-761-4111075-761-4111
(代表番号)
075-761-9900
(テレホンサービス)
E-Mail info@ma7.momak.go.jp
ホームページ http://www.momak.go.jp/Japanese/exhibitionArchive/2010/380.html#exhibits

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