Exhibitions展覧会

生誕120年 野島康三展 ―ある写真家が見た近代―

2009/07/28(火) 〜 2009/08/23(日)

京都国立近代美術館 

野島康三は、大正期から昭和初期にかけて活躍した、日本近代写真史において最も重要な写真家の一人。彼の作品の他、資料や彼が制作に携わった同時代の作家の作品集など約200点を通し、彼の作品世界と美術擁護者としての活動を紹介。その業績と1920~30年代における日本人の「近代の視覚」が生まれる過程を捉えなおします。

野島康三は、大正期から昭和初期にかけて活躍した、日本近代写真史において最も重要な写真家の一人です。
絵画主義の影響を色濃く残す「芸術写真」の隆盛期に写真を始めた彼は、優れた技術と繊細な感覚に裏付けられた、濃密で重厚な作品を制作しました。

その後、ドイツ新興写真に触発されると、その作風は1930年代には大胆なトリミングを駆使したものへと大きく変化し、写真独自の表現を追及していきます。
特に、彼が資金の大半を負担して写真家の中山岩太・木村伊兵衛とともに創刊した写真雑誌『光画』は、海外の主要な写真論の紹介と共に若い世代の写真家たちに発表の場を提供し、その後の新興写真の展開にきわめて重要な役割を果たしました。

その一方で、野島は私財を投じて東京・神田神保町に開設した画廊「兜屋畫堂」や自邸のサロンで、梅原龍三郎・岸田劉生など、大正時代を代表する作家集団・白樺派を中心とする気鋭の美術家たちによる展覧会を開催し、その活動を経済的にも精神的にも支援しました。
また、同じ時代の美術の擁護者として、彼は美術雑誌や作品集に掲載するための美術作品撮影の仕事にも携わっています。
 

生誕120年を記念して開催されるこの展覧会では、野島の代表的な写真作品と共に、彼の美術作品撮影の仕事に注目します。

京都国立近代美術館が所蔵する野島作品を中心に、彫刻家・中原悌二郎や陶芸家・富本憲吉との共同作業による作品集(『中原悌二郎作品集(1921)』『富本憲吉模様集(1924-27)』)からの作品写真や二人の実作品といった関係資料を加えた約200点を展示し、彼の作品世界と美術擁護者としての活動を紹介。
野島康三という一人の写真家のまなざしの変遷を追いながら、その業績と1920-30年代の日本人の「近代の視覚」が生まれる過程を捉えなおします。

展覧会概要

期間 2009/07/28(火) 〜 2009/08/23(日)
会場・開催場所 京都国立近代美術館
時間 9:30~17:00(金曜日と8/16(日)の夜間開館日は20:00まで/入館は30分前まで)
料金 一般:850円(前売 700円/団体 600円)
大学生:450円(350円/250円)
高校生以下(18歳未満)無料
注意事項等 ※団体20名以上
お問い合わせ TEL:075-761-4111075-761-4111
ホームページ http://www.momak.go.jp/

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