Exhibitions展覧会

メアリー・カサット展

2016/09/27(火) 〜 2016/12/04(日)

京都国立近代美術館 

19世紀後半のパリで活躍したアメリカ人女性画家メアリー・カサット。印象派の巨匠ドガとの出会いをきっかけに印象派に参加し、明るい色彩と軽やかな筆遣いで身近な人々や家庭の情景を描きました。女性職業画家がまだ少なかった時代、困難に負けず生き抜いた女性画家の世界をご高覧ください。

メアリー・カサットは、19世紀後半のパリで活躍したアメリカ出身の女性画家です。

裕福な家庭の娘として生まれたカサットは画家を志し、両親の反対を押し切って芸術の都・パリへ渡ります。そこで印象派を代表する画家エドガー・ドガと出会い、彼の勧めで印象派展に参加。新しい時代にふさわしい革新的な表現を模索するようになります。
カサットは明るい色彩と軽やかな筆遣いで、同時代を生きる女性たちを中心に、身近な人々や家庭の情景を描きました。特に母子の姿を暖かな眼差しでとらえた作品は多くの人々の共感を呼び、カサットは「母子像の画家」とも称されています。ルネサンス絵画などの古典美術や日本の浮世絵版画の表現を取り入れながら、カサットは近代における「聖母子像」を確立していきました。

日本では35年ぶりの開催となる今回の大回顧展では、カサットの油彩画やパステル画、版画の代表作に加え、ドガをはじめとする交流のあった印象派の画家たちの作品、カサットが強い影響を受け自ら収集も行っていた日本の浮世絵版画など、約110点の作品を展示。初期から晩年までのカサットの画業をご紹介します。

まだ女性の職業画家が少なかった時代、芸術の本場・パリの美術界で異国の女性が認められることは簡単なことではなく、カサットにとっても困難の連続でした。しかし彼女は教養と気品を備え、バイタリティにあふれた人間的魅力、そして画家として生きるという強い意志で困難を乗り越えました。時には美術品のアドバイザーとして交流のあるアメリカのコレクターにいち早く印象派絵画を勧め、今日のアメリカにおける充実した印象派コレクションの礎を作りました。その生き様は、現代を生きる私たちにも勇気を与えてくれます。

画家としてたくましく生きた生涯とともに、愛にあふれるカサット芸術の真髄をこの機会にお楽しみください。

【作品画像】
(1)《桟敷席にて》 1878年 油彩、カンヴァス 81.3×66.0cm ボストン美術館蔵 The Hayden Collection-Charles Henry Hayden Fund, 10.35. Photography © 2015 Museum of Fine Arts, Boston
(2)《眠たい子どもを沐浴させる母親》 1880年 油彩、カンヴァス 100.3×65.7cm、ロサンゼルス郡立美術館蔵 Digital Image © 2015 Museum Associates / LACMA. Licensed by Art Resource, NY
(3)《母の愛撫》 1896年頃 油彩、カンヴァス 38.1×54.0cm フィラデルフィア美術館蔵 Courtesy of the Philadelphia Museum of Art, Bequest of Aaron E. Carpenter, 1970
(4)《夏の日》 1894年 油彩、カンヴァス 100.6×81.3cm テラ・アメリカ美術基金蔵 Terra Foundation for American Art, Daniel J. Terra Collection, 1988.25 Photography © Terra Foundation for American Art, Chicago
(5)《沐浴する女性》 1890-91年 ドライポイント、ソフトグランド・エッチング 36.7×26.8cm ブリンマー・カレッジ蔵 Courtesy of Bryn Mawr College

展覧会概要

期間 2016/09/27(火) 〜 2016/12/04(日)
会場・開催場所 京都国立近代美術館
時間 9:30~17:00(入館は16:30まで)
休館日 月曜日、10月11日(火)
※10月10日(月・祝)は開館
料金 一般:1,500円(1,300円)
大学生:1,100円(900円)
高校生:600円(400円)
中学生以下無料
注意事項等 ※()内は20名以上の団体料金 ※上記料金でコレクション展もご覧いただけます。 ※心身に障がいがある方とその付添者1名は無料(入館の際に証明できるものをご提示ください)
お問い合わせ TEL:075-761-4111075-761-4111
ホームページ http://cassatt2016.jp/

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