Exhibitions展覧会

特別展覧会「魅惑の清朝陶磁」

2013/10/12(土) 〜 2013/12/15(日)

京都国立博物館 

中国陶磁のなかでも特に形や色が多様で評価の高い清朝陶磁。この展覧会では、知られざる江戸時代に日本にもたらされた華やかでおおらかな清朝陶磁から、精巧な官窯製の陶磁器やそれに影響を受けた日本の焼物、貴重な出土品や沈没船からの引き揚げ品など多彩な品で日中の焼物の世界をご紹介します。

【作品画像】
(1)豆彩龍鳳文盤 静嘉堂文庫美術館
(2)粉彩唐花唐草文角皿 野﨑家塩業歴史館
(3)粉彩松鹿図瓶 京都国立博物館
(4)青花雲鶴文福寿文字散釣瓶形水指 法金剛院
(5)色絵花鳥文皿 十代今泉今右衛門作 今右衛門古陶磁美術館


古来「やきもの」の王者として名高い中国陶磁。なかでも、形・質の多様性と色鮮やかさにおいて、他を圧倒しているのが清時代の陶磁器、清朝陶磁です。
清朝陶磁はヨーロッパの王侯貴族に愛されたばかりでなく、明治維新後の日本でも美術愛好家たちによって盛んに収集が行われていました。ところが、それ以前の江戸時代については「鎖国」していたという歴史観の影響もあり、あまり海外からの輸入は行われていないだろうと考えられていたため、江戸時代の日本へもたらされていた清朝陶磁には、これまであまり注意が払われてきませんでした。

しかし実際は、江戸時代の日本は世界の中で決して孤立していたわけではありませんでした。
近年「鎖国」の実態の研究調査が進む中で、江戸時代には既にかなりの量の清朝陶磁が日本へもたらされていたことがわかってきています。当時輸入されていた清朝陶磁は、基本的に民間工房(民窯)の作品が主流でした。ですが今日のように自由に海外渡航できる時代ではなかったこともあり、多くの日本人にとっては見知らぬ異国からの渡来品として随分と貴重視されました。

また、清朝陶磁は日本の「やきもの」生産へも大きな影響を与えています。
特に、明治時代の日本では海外への輸出産業育成が急務とされており、既に欧米諸国で高い評価を得ていた清朝陶磁に負けない「やきもの」を作ろう という機運が高まりました。明時代から清時代の中国では、皇帝をはじめとする宮廷での使用に特化した陶磁器を生産する工房として官窯が設置され、最高級の 陶磁器が生産されていましたが、近代日本の陶工たちはその官窯にも負けない「やきもの」作りを目指したのです。

この展覧会では、江戸時代の日本人が愛した民窯製品のおおらかさや、近代日本の陶工たちが好敵手と認めた官窯製品に代表される高級品の精巧さを、伝世の名品はもちろんのこと、出土品や沈没船からの引き揚げ品も交えて紹介します。そして、清時代と同時代の日本人が、どのように清朝陶磁を賞玩してきたのかという歴史とともに、そこからどのような発想を得て、どのように新しいものを生み出そうとしてきたのか、その足跡を辿ります。

日中の「やきもの」が織り成す百花繚乱の世界、どうぞご堪能ください。

※会場中央室は、江戸時代に海外と日本の玄関口を担った長崎にある史跡料亭「花月」の瓦の間をイメージした空間しつらえ。関連イベントを随時開催いたします。

展覧会概要

期間 2013/10/12(土) 〜 2013/12/15(日)
会場・開催場所 京都国立博物館
時間 9:30~18:00(金曜日は20:00まで/入館は閉館の30分前まで)
休館日 月曜日(ただし、10月14日・11月4日は開館/10月15日・11月5日は休館)
料金 一般:1,300円(団体 1,000円)
高校・大学生:900円(600円)
小学・中学生:400円(200円)
注意事項等 ※団体は20名以上 ※障がい者の方とその介護者1名は無料(障がい者手帳などをご提示ください) ※キャンパスメンバーズは、学生証をご提示いただくと無料となります。 ※平常展示館は建替工事中のため閉館しています。
お問い合わせ TEL:075-525-2473075-525-2473
※テレホンサービス

関連アートイベント

該当するアートイベントはございません。

関連記事

該当する記事はございません。