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「こころをあらわす 線・色・形―法然院襖絵を特別公開」(京都府立堂本印象美術館)

投稿:2012年7月18日

祇園祭の山鉾がたつ頃、「堂本印象美術館」へ行って来ました。

堂本印象が自分の作品を展示するために自らが設計したこの美術館は、まるで印象のおもちゃ箱のようで、お気に入りの美術館の1つです。
ラッキーなことに、7月3日~9月7日は、クールスポットと言う事で無料で入館できます。

今回の企画展『こころをあらわす 線色形』は、戦後の印象の抽象表現の紹介です。

lico201207-1.png

日本画を極めた作家が辿り着いた抽象表現は、抒情的で、柔軟で、色が響きあい、美しい。
北と南のスロープには、様々な抽象の試みの作品が展示され、それらは、ポロックのポーリングの様な黒、クリムトの風景画思わせる作品、黒をバックに描かれた宇宙を感じさせる作品はミロを思い起こす作品もありました。

2階大展示室には、今回のお目当てである「法然院襖絵」が展示されています。
法然院の襖絵は、通常は春と秋の特別拝観の1週間しか一般には拝見することは出来ません。
http://www.honen-in.jp/GYOJI-J.html
私は、この春にこの襖絵を観たくて法然院に訪れたのではありますが、こんな機会に、また見ることが出来るのならこの機会を逃すわけにはいきません。
襖の引き手にも注目してください。金で作られたユニークな引き手も印象ならのものです。

金を多用した襖絵といえば、私は琳派風をイメージしてしまっていたのですが、全く別の世界がそこには存在しました。
効果的に使われた黒は、リズムを生み、新体操で使うリボンがはためいている様でもあります。
印象が創り出す色鮮やかな抽象の世界は、緑深き法然院に映え、襖の前に座してじっと眺めていたいものです。

この襖絵の対面には、印象の抽象表現の代表作である「交響」をはじめとする抽象画の大作が展示されています。
これらの大作は、スロープで観た作品が結集された形かもしれません。
「交響」は、印象美術館入り口のドアの取手にそのまま使われていますので、お見逃しなく。

私が伺った日は来館者が少なく、涼しい大展示室の中央の椅子に腰を下ろして、抽象の襖絵と大作を独り占め状態でした。

1階の新館では、ミニ企画展「夏の草花」が展示されています。
鉛筆のスケッチでは、対象物を“視る“印象の厳しい”目“を感じます。
展示室5では、黒を基調に描かれた「沢瀉花咲く」「夕顔図」「夏日好在」などは、涼しげでこの時期に観たい作品です。
正面に展示されている「百合咲く」「初夏にかがやく」「紫陽花」などは、和紙に描かれた作品で、柔らかな和紙の風合いが生きた美しい作品です。

先に見た抽象作品と繊細な表現の草花の作品、両極にあるような作品を描き分ける(印象の中では分けてはいなのかもしれませんが)その技量は流石です。

lico201207-2.png

関連イベントとして、コンサート、講演会、ギャラリーツアーも企画されているようです。
私もこの春に拝聴した法然院貫主のお話もあるようです。
京の暑い夏に涼みに行くにはお勧めのスポットです。

 

こころをあらわす 線・色・形―法然院襖絵を特別公開



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