1. 京都で遊ぼうART
  2. Report & Review
  3. そらさんの記事一覧
  4. ベルギー王立図書館所蔵 ブリューゲル版画の世界(美術館「えき」KYOTO)

Report & Review ボランティアライター・ブロガーの皆様からお寄せいただきました
レビュー・レポートを掲載しています。

ボランティアライター・ブロガーとは

ベルギー王立図書館所蔵 ブリューゲル版画の世界(美術館「えき」KYOTO)

投稿:2010年12月 3日

まさに「ワンダーランド」。一言では言い表せないブリューゲルの世界

flyer_bruegel_01.jpg

日本人にも親しみのある画家ブリューゲルの作品が約150点展示されている。
とは言っても、知らない人は知らない。私もそうだが。
でも、そんなことはどうでもよい。日頃から各種展示会に足を運ぶ人はもちろん、全く美術、芸術に興味の無い人にも是非一度見ていただきたい。

副題に「400年前のワンダーランドへようこそ」とある。
まさに、ワンダーランド。
一言で言い表せない。素晴しいというより、すごいという表現がぴったりである。

聖書の世界、ことわざ、風刺などが一枚の版画にぎっしりと収められている。
その描写の細かいこと。横の説明を読んでも絵の中から該当する諺を探すのに一苦労である。
展示会のポスターを見ればいかに細かいかがわかるというもの。
しかも、絵が小さい。見るのだけでも大変なのによくまあこんなに細かいのを描いたなあ、と感心。
それだけではない。
風刺のおもしろいこと。自分の太ったお腹を荷車に載せて運ぶ男。日差しをかごに入れて運ぶ男(無駄を意味する)。なんだか、吉本のネタに使えそう。ほとんど漫画、ギャグの世界。

ただ、描写されているのは人間?動物?少々気味が悪い。
いつもなら展示会にちなんだ葉書やグッズを買うのを趣味とする私だが、買いたいものが一つもなかった。誰かが「夢にでてきそう」と呟いていたが全くその通りである。
絵の細かさと内容のおもしろさ、グロテスクからして、「ウォーリーを探せ」と「ゲゲゲの鬼太郎」「吉本」を融合させた感じ。

gouman_brugel.jpg 『傲慢』(1558年)© KBR

実はこの展示会を夏に東京で見ているので、今回二度目である。東京では人が多く満足に見れず消化不良で終わってしまい、京都に来たときは是非もう一度見たいものだと思っていたのだ。

で、今回じっくり見てわかったのだが、「見るのと理解するのとは違う」ということ。
京都ではしっかり見れたが、あまりに沢山の内容で覚えきれないのである。

そういう意味から開催中何度足を運んでも楽しめる作品といえる。
これから行こうと思っている人にアドバイスするなら、とにかく根気がいるということ。
あと、一人より複数で行った方が不思議な世界を共有できて楽しいと思う。
この異色の展示会、是非ご覧あれ。


文責:そら 編集:京都で遊ぼうART



  • 京都で遊ぼう総合TOP
  • 京都で遊ぼうART
  • 京都で遊ぼうMUSIC
  • 京都で遊ぼうSTAY
  • 京都の銭湯