Exhibitions展覧会

須田国太郎展 没後50年に顧みる

2012/12/01(土) 〜 2013/02/03(日)

京都市京セラ美術館 

戦前から戦後に日本独自の油絵を求めて活躍した、京都生まれの洋画家・須田国太郎。その没後50年を受けて開催される回顧展です。展覧会では主要な作品を中心に約130点を展示し、重厚感と陰影が生み出す独特の須田芸術の世界をたどります。

戦前から戦後に日本独自の油絵を求めて活躍した洋画家・須田国太郎。その没後50年を受けて開催される回顧展です。

京都で生まれた須田国太郎は、虫籠窓や格子窓から外界を観る京町家で育ちました。彼は京都帝国大学(現在の京都大学)で美学・美術史を、並行して関西美術院でデッサンを学んだ後スペインへ留学します。
そこで須田は「近代」とは異なる「前近代」の美術表現と向かい合うことになりました。
テンペラの下塗りの上に油彩を重層的に塗り重ねていくヴェネツィア派の色彩表現と、ティントレットやエル・グレコを経て、色彩を混和させるバロック的明暗法。須田はスペインで出会ったこの相反する二つの「前近代」の表現のほか、ヨーロッパ各地で美術研究を、帰国後はその成果を元に自らの手で日本独自の油画を創造しようと研鑽しました。

この展覧会では、須田がヨーロッパから帰国した後、1932年に東京銀座の資生堂画廊で開催された第一回個展出品作や独立美術協会展出品作などを中心に、須田国太郎の風景や草花、鳥や動物などを描いた主要作品約130点を一堂に展示します。

須田の作品は、「黒の画家」とも評される重厚間あふれるタッチが特徴的です。
また、画面の中に存在する「物」と「陰」は距離感というものを失い、主役を相互に交換して表れます。須田が描く「陰」は物体がもつ形としての 「影」ではなく、物と物が互いに映し出す「陰映」なのです。そして「光」は単に物体に色彩を与えるだけのものではなく、暗闇に劇的な世界を生み出し、語るものとなります。

「モダニズム絵画」や「前衛主義」が画壇を占めていた時代、須田の絵画はそちらとは方向性も目的も異なっていたため、しばしば難しいものといわれてきました。しかし彼はひるむことなく、絵画理論と実践の総合を求めて、自らの思い描く創作を貫きました。
独特の深遠な境地に到達した須田国太郎の世界をたどり、彼が半世紀先から残したメッセージを探ります。

展覧会概要

期間 2012/12/01(土) 〜 2013/02/03(日)
会場・開催場所 京都市京セラ美術館
時間 9:00~17:00(入場は16:30まで)
休館日 休館日:月曜日(ただし、12/24、1/14は開館)、年末年始(12/28-1/2)
料金 一般:1,000円(900円)
高大生:800円(700円)
小中生:500円(400円)
注意事項等 ※()内は20名以上の団体料金
お問い合わせ TEL:075-771-4107075-771-4107
FAX:075-761-0444
ホームページ http://www.city.kyoto.jp/bunshi/kmma/exhibition/suda.html

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