Exhibitions展覧会

「織」を極める 人間国宝 北村武資展

2011/09/16(金) 〜 2011/10/30(日)

京都国立近代美術館 

幻とも言われた古代の織物の技法を再現し、人間国宝にも指定されている西陣の織師・北村武資。その制作60年記念展であるこの展覧会では、古代織の再現だけでなく現代に生きる織として新しい世界に挑戦し続ける職人の、多彩な芸術世界をご紹介します。

「羅」と「経錦(たてにしき)」の二つの技で人間国宝に認定されている織師・北村武資(きたむら・たけし)。

1935年京都に生まれた彼は、中学校を卒業後、京都西陣で製織業に入ります。その後、5年間勤めた機屋を退職し、以後西陣を回りながら技術の習得 に励みます。
そして1959年大阪髙島屋で開催された初代龍村平蔵展を見て感銘を受け、同日に龍村美術織物株式会社に入社、その後、独り立ちへの歩みをはじめまし た。

1963年には京都の友禅作家・森口華弘の主宰する染織研究会に参加するようになり、1965年伝統工芸日本染織展に初出品し、日本工芸会会長賞を受賞。また同年日本伝統工芸展に初出品、初入選を果たし頭角を表します。

北村武資に強い影響を与えたのは、1972年に開催された「長沙馬王堆漢墓(ちょうさまおうたいかんぼ)写真速報展」でした。展示されていた中国で発掘された古代織の「羅(ら)」の写真を見て、北村は強い興味を抱きます。「羅」とは、古代中国で用いられた、経糸が網目状に組織される綟り織(もじりおり)技法の織物のことです。以後、北村は非常に繊細な織による「羅」に挑戦し、数々の優品を日本伝統工芸展に出品しました。
この「羅」は歴史の中で埋没し忘れられかけていた技法であり、「幻の織物」とまで言われていたものでした。これを北村は己の力で現代に蘇らせたのです。

また、平金糸を使うことによって織物が透けて輝く「羅金」や、「羅」と同じ紋織りで密度の高いしっかりとした「経錦(たてにしき)」(※)など、古代の織技法を再現しました。
(※ 経錦:古代中国から伝わり、奈良・飛鳥時代の錦織に用いられた技法。三色の経糸を使って模様を織り出す)
1995年には「羅」が、2000年には「経錦」が重要無形文化財に指定され、北村武資は二つの技の保持者として現在も活躍しています。

今年で制作60年を迎える北村武資は、古代織の再現に留まらず、現代に生きる織として新しい世界に挑戦を続けています。織は極めて時間のかかる作業ですが、その厳しい制作態度は 織の美をめざす織人の足跡でもあります。
この展覧会では、新しい世界に挑戦し続ける北村武資の制作を展観し、その多彩な織の芸術を紹介します。

展覧会概要

期間 2011/09/16(金) 〜 2011/10/30(日)
会場・開催場所 京都国立近代美術館
時間 9:30~17:00(入館は16:30まで)※10月27日(木)~30日(日)は20:00まで開館(入館は19:30まで)
休館日 毎週月曜日 、9月20日(火)、10月11日(火)
※ただし、9月19日(月・祝)、10月10日(月・祝)は開館
料金 大人:850円 (前売:700円/団体:600円)
大学生:450円 (350円/250円)
高校生以下:無料
注意事項等 ※団体は20名以上 ※この展覧会の入場料で、コレクション展もご覧いただけます。 ※障害者手帳をお持ちの方と付添者(1名)は無料。入館の際に証明できるものをご提示ください。
お問い合わせ TEL:075-761-4111075-761-4111
※テレホンサービス番号: TEL (075) 761-9900


E-Mail info@ma7.momak.go.jp
ホームページ http://www.momak.go.jp/Japanese/exhibitionArchive/2011/388.html

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