【速レポート】藤原定家ゆかりの冷泉家で能「定家」を上演!「冷泉家勧進能~定家卿の宴~」
9月21日・22日に開催される「冷泉家勧進能~定家卿の宴~」の記者発表会に参加しました。

冷泉家
提供:公益財団法人冷泉家時雨亭文庫
会場はなんと、重要文化財にも指定されている冷泉家住宅。完全な形で現存している、唯一の公家屋敷です。
今回の勧進能は、その保存継承のための設備更新費用の支援を目的に実施されます。
発表会では、企画発案者で主演を務める味方弦さん(観世流シテ方)と、冷泉家時雨亭文庫常務理事の冷泉貴実子さんのお二人から、開催の経緯や目的についてお話いただきました。

記者発表会の様子。(右)味方玄さん、(左)冷泉貴実子さん
本公演最大の特徴は、能楽堂のような専用舞台ではなく、冷泉家住宅の座敷で上演する「座敷能」形式であること。
実は冷泉家住宅の座敷(広間)は、畳を上げるとその下に能舞台のような化粧板が貼られた板の間になっており、舞台として使用できる仕様なのだそうです。
貴実子さんによれば、元は儀式での使用を想定したもので、欄間に装飾を設けず、襖を外せば広く使えるため、能を演じるにも適した造りとのことでした。

冷泉家(舞台となる上の間・中の間)
提供:公益財団法人冷泉家時雨亭文庫
当日は座敷の上の間(床の間のある方)・中の間の2部屋を舞台とし、その周囲に座席を設ける形で上演されます。
「座敷能」は由緒ある寺院や格式ある屋敷など、限られた場所でしか行われない特別な上演形式。
専用の能舞台で見る時以上に演者と観客の距離が近いため、演者の息遣いや一挙手一投足が間近に感じられます。
今回演じられるのは『定家』と『忠度』の2演目。
「定家」は冷泉家の祖先であり小倉百人一首の選者としても知られる藤原定家の伝承を元にしたもの。
「忠度」は定家の父で歌聖として名高い藤原俊成に関わりがあるもので、いずれも冷泉家と家業である和歌にゆかりのある演目が選ばれています。
冷泉家という会場と演目の内容が重なるのは、この公演ならではの趣向。
味方さんも「この空間で『定家』を演じられるなんて、一生に何度もないこと。貴重な機会をいただけてとても嬉しく思っています」と話されていました。
さらに、財団法人「冷泉家時雨亭文庫」にも名を冠する「時雨亭」(定家の邸宅の名)は、能楽の『定家』に登場したことで広く知られるようになったのだとか。
過去の当主(21代為理)の日記にも『定家』への言及があるそうです。
「『定家』は冷泉家や定家の名を世に知らしめた存在とも言えます。その『定家』が数百年の時を越えて今回冷泉家で演じられるのは、不思議な縁を感じます」と貴実子さんも仰っていました。

記者発表会後のフォトセッションにて。
歴史的な空間で、その場所と深く関わりある演目を間近で鑑賞できる、またとない機会です。
チケットは早期完売が見込まれますので、ご興味のある方はお早めにお申し込みください。
「冷泉家勧進能~定家卿の宴~」
開催日:2026/9/21(月・祝)、9/22(火・休)
会場:冷泉家
詳細:https://www.kyotodeasobo.com/art/artevents/reizei-kanjinnou/