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【レポ】尾上菊之丞(日本舞踊)・茂山逸平(狂言)二人会「逸青会」2023年京都公演(金剛能楽堂)

2023/12/13

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「逸青会(いっせいかい)」とは、日本舞踊尾上流四代家元三代目の尾上菊之丞さんと大蔵流茂山千五郎家の狂言方能楽師・茂山逸平さんのお二人が互いのジャンルを越えた新しい表現を追求すべく開催している合同公演。2009年から毎年行っており、2023年で15回目となります。

尾上菊之丞さんは最近では新作歌舞伎(ナウシカやワンピース、刀剣乱舞など)の振付や演出も担当されており、茂山逸平さんは狂言の舞台のほかTVドラマにも多数出演されている、どちらも伝統芸能の幅を広げるべく活躍されている方です!

そんなお二人による「逸青会」の京都公演にこの度ご招待をいただき、社内スタッフに代表して観劇に行ってもらいました!

※写真提供:尾上流事務所様(新作「ひまわり」のもの)


「逸青会」は、毎回日本舞踊と狂言の古典作品を1つずつ、そして日本舞踊と狂言をミックスした新作「舞踊狂言」の3演目の構成で行われています。

粟餅(日本舞踊)

餅屋の夫婦が餅つきをし、できた粟餅を売り歩くという日本舞踊の演目。
江戸時代はこんなつきたてのお餅を売り歩く人が人気を集めていたそうで、その様子を舞踊に仕立てたものです。このような日常的な仕草を題材とした舞踊を風俗舞踊というそうです。

スタッフの感想
踊りながら餅をつく動きに見惚れました。男女の掛け合いも、動きのしなやかさと役柄の感情が表現されていて楽しめました。

栗焼(狂言)

狂言は人間を滑稽に描いた喜劇。今でいう"お笑い"、漫才やコントなどの源流にあたるともいわれます。
今回京都公演で上演された「栗焼」は、主人から貰い物の栗を40個、客に振舞いたいので焼いておいてくれと命じられた召使い(太郎冠者)。早速焼き始めますが、美味しそうな匂いについついつまみ食いをしてしまい...というストーリー。晩秋らしい題材やコミカルな役者の動作も楽しめる演目です。

■ スタッフの感想
ストーリーも面白く、笑えるシーンが多かったです。お笑いのコントの様な性質で、始終退屈することなく観劇できました。表情や所作、効果音等が加わり豊かに表現されていることで、本当にそこに栗や火鉢が見えるような感覚で楽しめました。

ひまわり(新作|舞踊×狂言×落語)

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2023年度の新作となる舞踊狂言「ひまわり」では、ゲストに噺家の古今亭菊之丞さんも加わり、落語の要素もプラス。脚本は新作歌舞伎の演出/脚本を多く手がける横内謙介氏による書き下ろしで、舞踊と狂言、落語という3つのコラボレーションが楽しめる意欲作です。
新作では敢えて現代の社会問題などをテーマに盛りこんだり、似て非なるジャンルの芸能を組み合わせたらどんな表現が生まれるのか、実験的要素も楽しめるようになっています。

■ スタッフの感想
噺家さんの効果でスムーズに演目の世界に入ることができました。最初はコミカルな楽しい雰囲気のお話かと思いましたが、途中から非常にメッセージ性の高い内容に驚きました。いい意味で期待を裏切られる、考えさせられる深い作品だったと思います。落語、日本舞踊、狂言が見事に融合した内容でした。


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今回公演を見たスタッフは今まで日本舞踊や狂言、歌舞伎や能楽といったいわゆる伝統芸能の世界に触れる機会はなかったそう。でも古典を通して日本舞踊や狂言がどんなものか触れ、新しいものも楽しめる「逸青会」は初めてでも十分楽しめる内容だったそうですよ!

「日本舞踊」も「狂言」もちょっと難しそう、敷居が高そう、というイメージがある人も多いかもしれませんが、親しみやすい内容も多いので、機会があればちょっと足を運んで体験してみてはいかがでしょうか?

※12/16(土)には、東京公演が予定されています。詳細は尾上流事務所のホームページをご確認ください。


日本舞踊×狂言- 尾上菊之丞と茂山逸平の「逸青会」

尾上流事務所

金剛能楽堂

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