Exhibitions展覧会
木村翔馬:水中スペック
京都市京セラ美術館のリニューアルオープンに際して新設された展示スペース「ザ・トライアングル」。京都ゆかりの作家を中心に新進作家を育み、京都市京セラ美術館を訪れる方々が気軽に現代美術に触れる場となることを狙いとしています。第2回では、大阪府出身の若手作家・木村翔馬を紹介します。
木村翔馬は、筆や絵具、キャンバスを用いた従来の絵画とともに、その絵画的ルールを取り入れた3DCG(3次元コンピュータグラフィックス)、VR(バーチャルリアリティ)による作品を制作しています。
デジタル技術は、作家にとって浮遊する線や色面といった新たな表現の可能性を開きますが、一方で、これまでにない感覚ももたらしました。これは水中での動きづらさに近いもので、このもどかしさを木村は「水中スペック」と表現し、本展のタイトルとしています。
デジタルとアナログが重なり合う現代には、このような時代特有の身体的、視覚的感覚が生じます。それは画家自身にどのような影響を及ぼしているのか――木村が探るのは、この変化にともなう絵画の在り方と言えます。
最新作を含む今回の展覧会は、2次元のキャンバスと3次元のVR、その中間ともいえる透明なガラス窓(ザ・トライアングルの地上部分)を支持体とする作品で構成されます。3つの異なる空間を舞台とする作品は、相互に関係し合いながら、それぞれ鑑賞者に新たな絵画世界を垣間見せてくれることでしょう。線や色面に刻まれる木村の動きや色彩感覚にも着目しながらご鑑賞ください。
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木村翔馬
1996年大阪府生まれ。2020年京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程絵画専攻修了。近年の主な個展に「dreamのあとから(浮遊する絵画とVRの不確定)」(ninetytwo 13 gallery、2018年)、主なグループ展に「楽観のテクニック」(BnA Alter Museum SCG、2020年)、「ignore your perspective 49『紙より薄いが、イメージより厚い。』」(児玉画廊、2019年)など。「京都市立芸術大学 作品展・有志展 2017 市長賞」(2018年)、「第4回CAF賞 最優秀賞」(2017年)を受賞。
【作品画像】
1)《White Draw(1)》2020
2)《Hot PinkCurtain》2019
3)《In the Curtains》2019
4)《デジタルワールド》2018 撮影:木奥惠三
展覧会概要
期間 | 2020/09/19(土) 〜 2020/11/29(日) |
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会場・開催場所 |
京都市京セラ美術館
ザ・トライアングル(北西エントランス地下1階) |
時間 | 10:00~18:00(入館は17:30まで) 【ニュイ・ブランシュKYOTO/ナイト・ウィズ・アート2020】 |
休館日 | 月曜日(祝日の場合は開館) |
料金 | 無料 |
注意事項等 | ※この展覧会は無料観覧エリアでの開催のため、予約なしでの入館・観覧が可能です。 |
お問い合わせ |
TEL:075-771-4334075-771-4334
FAX:075-761-0444 |
ホームページ | https://kyotocity-kyocera.museum |
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