Exhibitions展覧会
凝然国師没後700年 特別展 鑑真和上と戒律のあゆみ
中国・唐時代の高僧で、自ら日本へ渡り正当な仏教の「戒律」の教えを日本にもたらした鑑真和上。日本仏教の恩人ともいえるその遺徳を、鑑真ゆかりの唐招提寺の寺宝を中心に偲ぶ特別展です。
「戒律」とは、仏教徒が守るべきとされる倫理規範のこと。戒とは相続の守るべき倫理基準、律は僧侶があるべき姿を示します。釈迦が僧侶の集団生活の中で生じた問題点について弟子に聞いたものが、後に各部派で整理されていくことで生まれ、中国では南⼭⼤師道宣(どうせん)が律学として大成しました。彼の系譜は南山律宗といわれ、中国仏教の主流として長く続きました。鑑真はその道宣の系譜を受け継ぐ大家として知られ、故郷・揚州にあった大明寺で住職を務めていました。
そこに、聖武天皇の意を受けて唐に渡ってきた日本の若い僧侶、栄叡(ようえい)・普照(ふしょう)が訪れ、鑑真に正しい戒律を日本に伝えてほしいと依頼されます。彼らの熱意を受け、鑑真は高い地位を投げうって日本へ渡航を試みます。5度に及ぶ失敗にもひるまず、6度目の挑戦となった天平勝宝5(753)年、ついに鑑真は日本の地を踏みます。その際には彼は視力を失っていました。歓迎のもと日本に迎えられた鑑真は東大寺に戒壇(戒律を授ける場所)を整備した後、唐招提寺を賜り、終生後進の指導に努めました。
鑑真がもたらした戒律の教えは、日本仏教の質を飛躍的に高めました。戒律を学ぶことは、僧侶とは何か、仏教とは何かを問い直すことでもあり、日本が社会変動を迎えるたびに、幾多の名僧が戒律に注目し、仏教の革新運動を起こしました。最澄や空海らも、戒律を学んだうえで自らの考える理想の仏教の在り方を求め、新たな姿勢をとっていくことになります。
また、仏教革新運動が非常に盛んだった鎌倉時代には、唐招提寺の覚盛(かくじょう)・西大寺の叡尊(えいそん)・泉涌寺の俊芿(しゅんじょう)など多くの高僧が登場し、その薫陶を受けた僧侶たちが戒律の精神に基づき民衆のために社会福祉事業や造像活動などなどを行い、その活動は文化史においても燦然たる光を放っています。その後、安定社会に見える近世においても、明忍(みょうにん)や慈雲(じうん)などによって、重要な律の復興運動が展開されました。
この展覧会では、寺外では15年ぶり・京都国立博物館では45年ぶりとなる国宝「鑑真和上坐像」をはじめ、唐招提寺に伝わる貴重な文化財の数々、そして関係諸寺院の名宝を通じ、鑑真と彼の伝えた戒律の教えが日本で辿った歩み、そして綺羅星のような名僧たちの活躍をご紹介します。
※この展覧会は会期中展示替される作品がございます(一部下記日程に寄らないものもございます)
【前期】2021/3/27(土)~4/18(日)【後期】2021/4/20(火)~5/16(日)
※京都府への緊急事態宣言の発令に伴い、4/25(日)~5/11(火)まで臨時休館、5/12(水)より再開となります。最新情報は施設の公式ホームページ等をご確認ください。
展覧会概要
期間 | 2021/03/27(土) 〜 2021/05/16(日) |
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会場・開催場所 |
京都国立博物館
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時間 | 9:00~17:30(入館は17:00まで) ※今回、夜間開館の実施はございません |
料金 | 一般:1,800円(1,600円) 大学生:1,200円(1,000円) 高校生:700円(500円) ※()内は前売料金 ※中学生以下無料 ※障害者手帳等をご提示の方と介護者1名は無料 ※大学生・高校生の方は学生証をご提示ください ※キャンパスメンバーズ(含教職員)は、学生証または教職員証をご提示いただくと、各種当日料金より500円引き |
注意事項等 | ※新型コロナウイルス感染症対策のため、来場の際はマスクの持参・着用、手指の消毒等にご協力をお願いいたします。 ※状況により、やむを得ず予定を変更する場合がございます。最新情報は京都国立博物館のホームページ、または展覧会の特設サイト等をご確認ください。 |
お問い合わせ |
TEL:075-525-2473075-525-2473
※テレホンサービス |
ホームページ | https://ganjin2021.jp/ticket/ |
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