Exhibitions展覧会
分離派建築会100年 建築は芸術か?
2020年で設立から100年を迎えた「分離派建築会」。その活動と関わった若き建築家たちを多彩な資料・関連作品でひもとく展覧会です。
我々は起つ。過去建築圏より分離し、総ての建築をして眞に意義あらしめる新建築圏を創造せんがために。
我々は起つ。過去建築圏内に眠つて居る総てのものを目覚さんために溺れつゝある総てのものを救はんがために。
我々は起つ。我々の此理想の実現のためには我々の総てのものを愉悦の中に献げ、倒るゝまで、死にまでを期して。
我々一同、右を世界に向って宣言する。(分離派建築会の宣言より)
大正時代、上記の宣言を掲げ、日本の建築界に鮮烈なインパクトをもって現れた新星たちがいました。日本で最初の建築運動とされる分離派建築会です。大正9(1920)年、東京帝国大学建築学科の卒業をひかえた同期、石本喜久治、瀧澤眞弓、堀口捨己、森田慶一、矢田茂、山田守によって結成され、その後、大内秀一郎、蔵田周忠、山口文象が加わり、昭和3(1928)年まで作品展と出版活動を展開しました。
彼らは、明治から大正にかけて西洋の建築を模した様式的で権威的な近代建築に対立し、新しい時代に見合った建築の形を模索しました。その背景には鉄筋コンクリートの登場や、議院建築(いまの国会議事堂)を建設するにあたって、日本は今後どんな建築様式を選ぶべきかという、建築界を取り巻く議論がありました。
昨今、日本の現代建築は世界から高い評価を得ています。その理由の一つには建築と自然との新しい関係による繊細な建築の表現が上げられますが、分離派建築会はそのルーツともいえます。分離派建築会に参加した建築家たちは、自然主義を掲げた文学運動である「白樺派」からの影響を受け、過去の建築とは異なる、自然や自己と対峙する建築を目指しました。
日本の現代建築の系譜を探るうえで、近代建築の掲げる機能主義では語りえない自然や美を探求した分離派建築会の活動はとても重要なものでした。
また、分離派建築会は新しい建築の形を探る中で美術へも関心を深めていきました。オーギュスト・ロダンにはじまる彫刻作品には、特に大きな影響を受けています。
大学を卒業したばかりの20代の若い建築家たちによって結成された分離派建築会。この展覧会では、1920年からはじまる彼らの活動を、「彫刻」「田園」「都市」「家具」といったテーマで、図面、模型、写真、映像など彼らの作品を中心に、そして関係する美術作品も含めて紹介。変革の時代を鮮やかに駆け抜けた彼らの軌跡を、懐古的ではなく現代において新たな解釈のもとで振り返ります。
分離派建築会が希求した建築の芸術とは何か。日本近代建築の歩みのなかで果たした彼らの役割を、新たな光のもとに明らかにしていきます。
※ご自宅でも展覧会をお楽しみいただけるWeb特設サイトがございます。イベントのアーカイブ動画や、漫画や連載記事など大人から子供まで楽しめるオリジナルコンテンツを随時公開しています。
→ おうちで楽しむ展覧会「分離派建築会100年 建築は芸術か?」漫画だ、動画だ、ネット記事だ!
※この展覧会は前後期制です。会期中一部展示替となる作品がございます。
【前期】1/6(水)~2/7(日)【後期】2/9(火)~3/7(日)
展覧会概要
期間 | 2021/01/06(水) 〜 2021/03/07(日) |
---|---|
会場・開催場所 |
京都国立近代美術館
(岡崎公園内) |
時間 | 9:30~17:00(金・土曜日は~20:00) |
休館日 | 月曜日(1/11(月・祝)は開館)、1/12(火) |
料金 | 一般:1,500円(1,300円) 大学生:1,100円(900円) 高校生:600円(400円) 中学生以下無料 ※()内は20名以上の団体料金 ※母子家庭・父子家庭の世帯員の方、心身に障がいのある方と付添者1名は無料(入館時に証明できるものをご提示ください) ※上記料金でコレクション展もご覧いただけます |
注意事項等 | ※新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、来館の際はマスクの持参・着用、手指の消毒等にご協力をお願いいたします。 |
お問い合わせ | TEL:075-761-4111075-761-4111 |
ホームページ | https://momak.go.jp |
関連アートイベント
関連記事
該当する記事はございません。