とても暖かで、人間味のあふれる藤村直樹氏追悼の集いに参加してきました。

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【ライヴレポート】魂の歌が集った夜、藤村直樹氏追悼の集い

スタッフ2号

スタッフ2号 (2010年6月28日 16:04)

藤村直樹追悼の集い

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去る2010年6月25日、京都拾得でフォークシンガー藤村直樹氏のレコ発であり、追悼の集いでもあるイベントがありました。
これは今年4月に亡くなった藤村氏を偲んで行われ、親交のあったシンガーらが集い、故人に想いを馳せることになりました。

フォーククルセイダーズが活動を終えた、1960年代末。関西フォークは「受験生ブルース」の高石ともや、中川五郎らが中心となっていました。同時期にはフォークキャンプが始まり、そのフォークキャンプを機に結成されたのが「フォークキャンパーズ」であり、藤村直樹氏が中心のフォークグループでした。

関西フォークキャンパーズとして出演した第四回フォークキャンプで注目されるも、プロデビューはせず医学の道を選択。音楽活動から疎遠になりますが、1999年の京都フォークキャンプコンサートを皮切りに、音楽活動が再び活発になります。週末・祝日を利用しての活動から「ウィークエンド・シンガー」と称していました。

また、医師として医療期間や介護施設を調査し、2007年には「老人は国会突入を目指す」を発表。メッセージ性の強いこの歌は、かつての関西フォークに通ずるものだと感じます。
2008年に判明した病の影響から、今年になり活動を休止。「君こそは友」のレコ発として予定されていた6月のライヴを待たずして逝去。奇しくも追悼イベントとなりました。

笑顔で語り、対話する夜

拾得の席は早くから埋まり、立ち見も出るほど盛況です。
ぼくが死んだらソロで『Amazing Grace』を歌って欲しいという藤村氏の戦前の一言から、バラーズの福中いづみによる「Amazing Grace」でライヴはスタート。ハミングで会場は一体となり、藤村氏へ歌で語りかけます。

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献杯を捧げ、16組の献花がスタート。カントリー・フォークを歌うとともに、藤村氏との思い出や武勇伝が語られていきます。会場に涙はなく、笑顔で溢れていたのが印象的でした。

特に幾度も語られたのが、故・高田渡氏の葬儀での一駒。葬儀場のアパート迎いの駐車場で、お酒を飲み、寝転がり悲しんでいた様について。お酒が大好きであり、歌と共にあった藤村氏の生き様・高田渡氏を偲ぶ人間味がこのエピソードだけでも伝わってきます。

献花も終盤に差し掛かった頃、高石ともや氏が、「関西フォークは私とあなた、一対一の関係なのです」と一言。関西フォークといえば、メッセージ性が強く、学生運動を始め、社会へのアンチテーゼのイメージが強かった私ですが、一対一の対話でもあるのだと知りました。

思えば、献杯の挨拶ではこうありました。
「今日の音楽で藤村の想いがわかる」

自身や周囲の人々の生き方を歌い、時には「老人は国会突入を目指す」のような告発の歌を歌った彼は、どこかの誰かではなく、歌を通じて"そこにいるあなた"へ対して歌っていたのです。

関西フォークが持ち、そして藤村直樹氏が持つ"魂の歌"は、残された人々が想い続ける限り、なおも生き続けるのでしょう。

「君こそは友」はお互いへのメッセージなのです

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集いの最後は、藤村氏最後の作品、「君こそは友」を会場全体で合唱。君の笑顔がすべての始まりであり、人生を振り返るときには君の笑顔があると歌うこの曲は、藤村氏から集った方々へのメッセージであり、集った人々から藤村氏へのメッセージでもありました。


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藤村直樹ウェブサイト



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