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【DWK2019|OPEN FACTORY】見学レポ《4》藤田染苑(京友禅)

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DESIGN WEEK KYOTO 2019|工房見学レポート
「京都をよりクリエイティブな街に」をコンセプトに、京都在住の職人やクリエイター有志により開催されているプロジェクト「DEDIGN WEEK KYOTO」。
今年も1週間限定で実際のモノづくりの現場を公開するオープンファクトリー企画を開催されました。

DESIGN WEEK KYOTOに広報協力している「京都で遊ぼうART」では、そのうち4つの工房をスタッフが実際に見学!その様子を改めて、少しですがご紹介します。

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【4】藤田染苑(京友禅)

4件目は「藤田染苑」さん。
型友禅を基本に、様々なブランドの浴衣や着物、手ぬぐいなどの染製品を手掛けられている染物屋さんです。近年では京都発の人気ブランド「SOU・SOU」とのコラボレーションもこちらが行われています!

DSCF2549.JPG工場があるのは太秦エリアの一角。代表取締役の藤田丈博さんが自ら案内してくださいました。

DSCF2504.JPG工場に入ると、巨大な染台がずらり!全長26、27mという圧巻の景色です。
作業時は、ここに端から端まで布を広げ、一色ごとに型を替えて一気に染めていきます。浴衣の場合なら一着13mほどの反物を使うので、この部屋全体で24反分を同時に作ることができるそう。

DSCF2547_2559.jpg
着物は身頃や袖など14ほどのパーツで構成されるため、各パーツで柄のパターンが異なります。そこでパーツごとに布を分けて一度に染め、後から既定のサイズに裁断します。(柄を分ける白い線が裁断線)

DSCF2551.JPG染台の縁に取り付けられた枠には一定の間隔で留め具がついており、型をそこに取付けて順々に染めていくことで繰り返しのパターンを作っていきます。その際、型がずれてしまったり、染料を刷毛で乗せる際に力加減を誤ってしまうと、それは商品になりません。
また、染料の粘度も色によって異なっていたり、布地ごとに染料のノリ具合、その日の気候で乾き具合も変わってくるため、経験と技術がものを言う作業です。

DSCF2536.JPGそんな中、スタッフさんのてきぱきとした動きはまさに職人技!ベテランさんはもちろん若い方も多くいらっしゃる印象でしたが、皆さんの手さばきの鮮やかさに思わず見入ってしまいました。

DSCF2525.JPG工場の棚や廊下には染型が山のように並んでいます。その数は千種以上!正直どのくらいあるのか正確な数まではわからないそう。まるで古い図書館の収蔵庫のような、迷路のような不思議な景色でした。
この型は布製で何度も再使用はできるものの消耗品のため、5年ほど使い続けると傷んでしまうそう。限界までは補修をしながら大事に使用されています。

DSCF2508.JPG

そんな藤田染苑さんが誇る技術が、型友禅を使った藍染です。

DSCF2472.jpg藍は水に溶けにくい上、自然染料のため日々の温湿度や時間経過ですぐ状態が変わってしまうなど、化学染料に比べると非常に扱いが難しいものです。また、藍染には蒸しなど通常の染物にはない工程も多くあるため手間がかかることもあり、商品としてコンスタントに安定した品質のものを大量生産するにはコストパフォーマンスからも問題があり、難しいとされていたそうです。
これを藤田染苑さんでは、長年の研究により型友禅で多彩な柄を安定して数多く染め上げられるよう改良、藍染の可能性を大いに広げられました。
現在では型友禅技法ならではの複雑でユニークな柄の商品を藍染で多数制作されています。

「SOU・SOUさんとの仕事がきっかけで考えたものだったので、7~8年前のことでしょうか。今でも他の企業さんで藍染めを型で行っているところはないと思います。染物をするところは多い分、どうしても競合してしまう。その中で自分たちがオンリーワンになれる仕事を見つけないと、続けていけないんです」という藤田さん。

DSCF2556.JPG「どんなに難しいことでも、誰かがやらないとその技術は廃れてなくなってしまう。だからこそやりがいがある。それに、他がやっていない、方程式がないものにこそ心惹かれます。新しいことをやるのって、やはり面白いですから。」

これぞ、職人魂!

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藤田染苑さんが手掛ける基本的な商品は、やはり着物。問屋さんと連携しながら、その季節毎のの着物を多数制作・提案・納品しています。その商品は基本的に問屋さんを通じての販売となりますが、しかし最近では、自らデザイナーとコラボした藍染商品を製作したり、他企業と協力してオーガニックコットンに藍染をした商品を生み出すなど、新たな展開にも積極的に挑んでおられます。

「今までお付き合いのある問屋さんなどとの仕事ももちろん大切ですが、既存の顧客相手としか商売ができないようでは、できることはどんどん狭まってしまいます。だからこそ、自ら新しい販路を切り開く必要があると思います。お客さんに喜ばれる商品を作ることはもちろん、自ら提案して流れを変えていけるような仕事をしていきたいですね」

近年、着物業界では安価な商品も多く出回るようになり、明らかに取り巻く状況は大きく変化してきています。品質の悪い安い着物が席巻する状況を危惧する声もあります。これに対して、藤田さんは安いものは悪いものと胡坐をかいていてはいけない、と言います。

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「安物でも時間が経てば作り手の技術は確実に上がる。そこで元々高い品質のものを作っている側が負けてしまってはいけません。
京都という土地で職人を使って物を作るなら、その名に見合った高いクオリティのものを作らねばならないと思っています。それが京都のモノづくり文化を今後につなげていくことに繋がります。
そのためには、培った技術でできることの幅を広げていく、新しいことに挑戦していく必要があると思います。できることは、多い方がいいに決まっていますから」

伝統の技を新しいかたちで広げることは、文化をつないでいくこと。京都の職人としての強い思いが感じられました。

今後の藤田染苑さんの試みにも要注目です。お忙しいところありがとうございました!


(撮影:浜中悠樹/文:そめかわゆみこ)

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■ DESIGN WEEK KYOTO http://www.designweek-kyoto.com/jp/

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