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【DWK2018|OPEN FACTORY】見学レポ《3》弘誠堂(京表具)

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DESIGN WEEK KYOTO 2018|工房見学レポート
「京都をよりクリエイティブな街に」をコンセプトに、京都在住の職人やクリエイター有志により開催されているプロジェクト「DEDIGN WEEK KYOTO」。
今年は1週間限定で実際のモノづくりの現場を公開するオープンファクトリー企画を開催、22か所の工房が参加しました。

DESIGN WEEK KYOTOに広報協力を行った「京都で遊ぼうART」では、そのうち4つの工房をスタッフが実際に見学!その様子を改めて、少しですがご紹介します。

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【3】弘誠堂(京表具)

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3か所目は京表具の弘誠堂さんです。

表具とは、和紙や糊、布地などを用いた伝統的な紙工芸。
絵や書などを掛軸の形にに表装する仕事が知られますが、弘誠堂さんでは、その他にも屏風仕立てや額装、古い絵や書の修復作業までを一手に行われています。

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ちょうど修復作業途中のものがあったので見せていただきました。
古い絵や書は経年劣化でシワシワになってしまったり、ニスの役目をしている漆部分が変色して茶色っぽくなったり、絵の具が剥げてしまったりシミや汚れが出ていたりします。これを洗浄し、きれいな形によみがえらせます。

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作業前と後ではこんなに色の違いが!

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あまりに難しい作業になると文化財修復を行う専門の機関が手掛けることが多いそうですが、弘誠堂さんではある程度のものまでなら自分達だけで対応できるとのこと。以前には寺院に収められた大きな仏画の修復作業も担当されたそうです。(写真はその作業の様子を写したスライドの一部。人と比べるとサイズ感がよくわかります)

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表具に使う裂地や、掛軸の軸の部分も、扱う作品や用途、収める場所に対応するため、常にいろいろな種類をそろえてある程度ストックされているそうです。
表具は作品を飾る衣服のような存在と思うと、これらは作品のためのブティック、ともいえるかもしれませんね。

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作業部屋はいくつかに分かれていますが、全体的に広々としています。
扱う品が大きいものが多いので、作品にあわせてスペースを取っているためだそうです。

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この部屋では表装途中の作品を板張りして乾かしているところでしたが、前述した大きな仏画の作業もこの部屋で行っていたそう。扱うものが広げると嵩張るものが多いので、状況に合わせてスペースを変えながら作業されているそうです。

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そして部屋のあちこちには所狭しと棚が並び、ぎっしりと道具が詰め込まれていました...!
とにかく扱うものの種類も様々、状態もさまざまなので、作業にあわせて色々な道具が必要なのだそう。
写真の棚の一番上に「注射器」とありますが、これは細かいところに糊や薬剤を入れる際に使われるそうです。

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自分達が使いやすいように道具を手作りすることも多いそう。
こちらのヘラは祖父の代に作ったもので、「三代受け継いでる」んですって!

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直線を引いたり紙や布をカットする作業も多いので、大きな定規も必需品。
文鎮替わりに使っているのは、なんと電車のレール!!
廃線した線路に使われていたものを譲り受けたそうで、平なので定規を抑えるのにぴったり。


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刷毛も、糊を塗るのに使うものから紙を貼る時にバレンのようにつかうものまで、大きさも素材も違うものが複数用意されています。

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表具制作に欠かせない糊も、用途や素材に合わせて配合を変え、水分量や粘度を細かく調整しているそうです。

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そして、見せて頂いた道具の中でも、特に印象深かったのはこの丸包丁。
布や紙を裁断する際に使うもので代々受け継いで使われているそうです。用途に応じて角度や形を調整したさまざまなサイズのものが揃っています。

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今ではカッターを使うことが一般的になり、使う職人さんも少なくなったというこの丸包丁ですが、カッターと違って片刃になっているので平らな面をぴったりと定規につけて真直ぐに斬ることができ、場合によってはカッターよりも使いやすいそう。
実際に持たせていただくと、刃についた指の跡に気づきました。
道具にしみ込んだ、受け継がれる職人さんの手仕事。それを実感することができました。

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どちらかというと裏方の存在である表具師さん、その仕事はとにかくマルチで工夫に富んでいるものでした。
弘誠堂さんでは、さまざまな表具仕事を一手にこなすことができるその技を生かし、近年では別ブランドを立ち上げて、国内外のデザイナーさんとコラボしたインテリア(テーブル、ランプシェードなどなど...)も提案されています。今後の展開にも期待大!

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今回ご案内いただいたのは田中さん。
お忙しい中ご対応頂き、ありがとうございました!



(撮影:浜中悠樹/文責:染川裕美子)

■ 弘誠堂 についてはこちら:http://www.designweek-kyoto.com/jp/store/detail/?id=8


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