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【DWK2018|OPEN FACTORY】見学レポ《1》(有)フクオカ機業(西陣織)

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DESIGN WEEK KYOTO 2018|工房見学レポート
「京都をよりクリエイティブな街に」をコンセプトに、京都在住の職人やクリエイター有志により開催されているプロジェクト「DEDIGN WEEK KYOTO」。
今年は1週間限定で実際のモノづくりの現場を公開するオープンファクトリー企画を開催、22か所の工房が参加しました。

DESIGN WEEK KYOTOに広報協力を行った「京都で遊ぼうART」では、そのうち4つの工房をスタッフが実際に見学!その様子を改めて、少しですがご紹介します。

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【1】(有)フクオカ機業(西陣織)


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最初に訪れたフクオカ機業さんは、西陣織の織屋さんです。

創業は明治時代。以来、多くの西陣織工房と同じく、帯地を中心に制作を行ってきました。現在でも着物や帯、袈裟や十二単といった呉服生地の制作を行われていますが、その傍らで、近年では西陣織の「技」を活かし、特殊繊維を使った織物など新しい製品開発にも力を入れておられます。

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平屋建ての工房に足を踏み入れると、そこには大きな織機がずらり!全部で12台あり、うち8台で帯、4台を特殊繊維用として使われているそうです。どれも年季が入っていますが、長いもので40年ものを、機械が特殊で替えがきかない分、大切にメンテナンスをして使い続けておられるとのことでした。

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織機がならぶ工場の様子は、どこかスチームパンクの世界を思わせる美しさがありました。
美しい着物や布地を生み出す現場は、思いのほかメカニック!

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在籍されている職人さんは10人ほど。若い人も多いそうで、この日案内してくださった西出さんもまだ20代の若い職人さんでした。工房でもベテランさんと若手さんが一緒に仕事をされていましたよ。

通常、西陣織は工程が細分化されていて各作業をそれぞれ専門の職人さんが手分けして行うことが多いのですが、フクオカ機業さんではそれをデザインから織り・仕上げまで一貫して行われているそう。人数は少ないものの、その分小回りが利き、色々なことに挑戦しやすい環境になっているそうです。




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西陣織は紋様に合わせて機械で経糸を上げ下げし、そこに横糸をシャトル(杼)で通していくことで紋様を織り上げます。細かなものほど人の手が重要になってくるため、今も帯づくりの中心は手作業!シュッ、シュッとシャトルを通す職人さんの慣れた手さばきに、つい見入ってしまいました。

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そんなフクオカ機業さんが近年力を入れているのが、西陣織そのものだけでなく、その「技」を活かした新しい織物の開発です。
その代表格が、カーボンテキスタイル。通常、西陣織は絹糸を用いますが、代わりに炭素繊維を糸状に加工したもので織り上げた織物です。

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炭素繊維は、文字通り炭素を素材とした繊維で、軽く丈夫で腐食に強いことから、飛行機や自動車、スポーツ用品などで使われています。フクオカ機業さんではこれを織物にすることで、より幅広い用途に応用できるものに商品化したのです。
長年培われた西陣織の技により、特殊繊維でも着物のように模様をデザインすることができるようになったところがポイント!これにより、車の座席やホテルのインテリアなど人の目に見えるところにも使いやすいようになったそうです。

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ただ、絹糸と違って炭素繊維は引っ張っても伸びないため、機械に取り付ける際に力をかけすぎると簡単にぷつんと切れてしまうのだそう。そのため機械の調整にとても苦労されたそうです。
通常、西陣織では糸張り専門の職人さんがいるのですが、炭素繊維をはじめとする特殊繊維は人にお願いすることが難しいので、自分達でおこなっているとか。

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ちょうど設置作業を見せていただきましたが、なんと一本一本の糸の設置は手作業!糸をつなぐのも一本一本手で結ばなければなりません。最先端のものを生み出すにも、やはり人の手が重要なのだと考えさせられました。

伝統工芸を今に活かすといえば、伝統工芸として作られたものそのもので新しい商品を作る...というイメージがあったのですが、フクオカ機業さんでは「モノ」ではなく「ワザ」を活かす発想でものづくりをされているということに、とても感銘を受けました。まさに発想の転換!

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最近では、炭素繊維のほかにも色ガラスを糸状にして織り上げることにも挑戦中だとか。固いものを布の形に織り上げることで、両方の良さを兼ね備えたものを作ることができるそうです。早速試作品も作られているとのこと。今後の展開が楽しみです!

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当日ご案内いただいた西出さん。お忙しい中、ありがとうございました!

(撮影:浜中悠樹/文責:染川裕美子)

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