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森村泰昌さんが京都市立芸術大学で作品を制作! 「ベラスケスの絵になる/特別授業としての公開制作」(6/26-7/5):記者発表インタビュー

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flyer_morimura-news.jpg現代日本を代表する芸術家のひとりとして知られる、森村泰昌さん。実は京都市立芸術大学のご出身で、京都にも大変ゆかりの深い方です。

そんな森村さんが、6月26日(水)から7月5日(金)までの10日間、母校である京都市立芸術大学内のスタジオにて新作を制作し、その課程を「特別授業」として公開するという企画を行います。

その記者発表会が、6月24日(月)に行われました。



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1985年にゴッホの自画像に扮して撮影するセルフポートレート作品を発表して以来、「世界の名画に自らなりきる」というスタイルの作品で世界的に高く評価されている美術家・森村泰昌さん。

今回、京都市立芸術大学にて制作を行う新作は、「ラス・メニーナス」。国王が肖像画を描いてもらっている部屋に小さな王女が入ってきてしまった一幕を描いた、17世紀スペインを代表する画家・ベラスケスの名作です。

森村さんは1990年に一度、この作品の主役であるマルガリータ王女に扮したことがありましたが、その頃から「ラス・メニーナス(侍女たち)」も挑戦してみたいと考えられていたそうです。

morimura-news03.jpg今回の作品制作についてお話される森村さん。右は京都市立芸術大学学長の建畠晢(たてはた・あきら)さん。


「前は一人だったので、次はもっと大きな作品をやってみたいと思っていました。なかなか機会に恵まれなかったのですが、今回いよいよ取り掛かることにしました。西洋絵画史を代表する作品ですし、自分なりの気持ちを込めてやりたいですね」(森村さん)

作品制作にあたり、森村さんは何度かスペイン・マドリードにあるプラド美術館へ赴き、本物をご覧になってきたそうです。今回の作品では、自分が絵と出会った場所である美術館の印象も作品の中に表現したいとのこと。

「僕の作品は「絵の再現」とは少し違います。「ラス・メニーナス」をテーマに、美術館や登場人物などを含めたある種の"物語"を表現したい。見る人・画家・モデルの視点が行きかう有様を自分なりに表してみたいと思っています」

背景として、既に深夜のプラド美術館の様子は撮影済み。作品は約20点ほど制作を予定されているそうで、続けてみると、まるで絵の中に迷い込んでいくような体験が味わえそうです。

「ラス・メニーナス」に登場する人物は正面に見える人物や鏡の中の人物など全てで11名。そして犬(マスチフ犬)が一匹。
「流石に犬は無理です(笑)」と仰っていましたが、犬以外の絵の登場人物には全て森村さんご自身が扮します。記者発表当日も既に撮影の作業を始められていたそうで、衣装をお召しになっていました。

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morimura-news01.jpg今回の作品制作は「特別授業としての公開制作」となります。4月から京都市立芸術大学の客員教授にもなられている森村さんですが、制作の過程を関係者以外に見せることは初めての試みなのだそうです。

「作品を鑑賞する、という学びもあります。しかし、その作品が「生まれる場」やプロセスを鑑賞するのもありなのではないかと思います。僕自身は教える立場には向かないと思ったのですが、これは「普通の授業」ではできないこと。イレギュラーなことに取組むことを伝えるのが、客員の仕事なのかなと感じました」

実は森村さん、最初はちょっと現場を見せることには抵抗感もあったのだそうです。

「以前は作品の「裏」を見せるようなことは、作品自身を純粋に見てもらうには良くないのではないか、と思っていました。でもそんなことはなくて、むしろ「見たい」という声をよく聞くようになったんですよ」

特に、デジタル技術が発達し、誰もが気軽に加工やコラージュした画像を制作できるようになってきてから、制作の現場に興味をもたれる方が増えた、と森村さんは仰います。

「本当に撮影してるのか?って思うみたいなんですよね。僕は作品を作るとき「生」「ライブ感」とか「身体性」を大事にしたいと思っています。これはデジタルでは表現できないし、現場にこそ現れているもの。隠さず現場を見てもらうことで、伝えられるものがあると思います」

また、今回の企画では、学生さんに向けて制作現場を公開するのと同時に、学生さんの一部(8名)がアシスタントとして実際に制作にも携わることになっています。

「教える、ということはあまり好きではないので、なるべくそんなシチュエーションは作らないようにと思っています。現場はトラブルも起こるし、問題もたくさんあります。決して格好いいところではない。でもそこを何とかして着地点へと持っていく。その課程を一緒に体験することで、「若い作家も先輩も、皆同じことをやっている」感覚を共有できる、そんな「表現の場」を伝えられるといいですね」


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作品の制作過程の公開は京都市立芸術大学の学生さん・関係者限定のため、一般の人は見ることはできませんが、現場の様子はFacebookのページやtwitterにて随時紹介されます。
どんな風に作品が作られているのかの過程自体も一つの「作品」として味わえるのではないでしょうか。

また、今回制作された作品は、9月28日から東京・銀座の資生堂ギャラリーにて一挙公開されます。どんな作品になったのか、制作過程を見たあとは本物をチェックしに行ってみてはいかがでしょうか。

京都市立芸術大学
京都市立芸術大学Facebookページ(制作様子はこちらにて写真付でレポートされます!)


【作品発表展】森村泰昌展 「侍女たちは夜に蘇る」

会期:2013年9月28日(土)~12月22日(日)
会場:資生堂ギャラリー(東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル 地下1階)

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