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【レポート】ワシントンナショナル・ギャラリー展 in 新国立美術館に行ってきました。

2011/08/22

新国立美術館
東京に行く用事がありまして、併せて9月に京都で開催される「ワシントンナショナル・ギャラリー展」を観に行ってきました。
朝9:00すぎ。
東京・六本木にある新国立美術館前には、開館の10:00を待つ人たちがちらほら。
授業の一環できたと思われる中学生から上は40~50代ぐらいまでと、訪れていた人の年齢層は幅広いようです。
9:30の開門後、チケットを購入し、展覧会場に移動します。
すでに招待券を持っていた人で行列が出来ていましたが、会場内へはすぐに入ることができました。
チケットと入り口のポスター
さて、私は「ワシントンナショナル・ギャラリー展」は、正直美術に関する知識は皆無なうえ、特に予習もしてこなかったという有様。
「どれが初公開なのか、わからないまま観終わりそうだな」と考えながら会場内へ入りました。

展示されている作品83点のうち50点がは日本初公開!
これはとてもすごいこと!

今回の展覧会は、なんと12年ぶりの開催だそうです。しかも、83点のうち50点が日本初公開!

これは帰宅後に知ったのですが、ワシントン・ナショナル・ギャラリーでは、作品寄贈者の意向などにより所蔵作品の多くは、貸し出しが厳しく制限されているそうです。
その中でも「常設コレクション作品9点」「紙を支持体とした作品」の展示は滅多に無いことだということです。

紙を支持体とした作品(素描、水彩、版画)は、「作品保護というのが主な理由」でワシントン・ナショナル・ギャラリー内ですら滅多に展示されないらしく、これらの作品は1作品あたりたった15回までしか館外へ貸し出ししてはならない、という規定もあるとか。これを知ると、大事に拝みながら観るべきだったと思いました。京都開催時に足を運ぶ時には、そうやって観る事にします。
さらに、「常設コレクション作品」の9点の貸し出しは、ワシントン・ナショナル・ギャラリー史上最多だそうで、館長も「70年におよぶワシントン・ナショナル・ギャラリーの歴史上かつてない、そしてこれからもないであろう」と言わしめる、空前の質と規模だとのこと。
それだけ言われると、主催者側のとんでもない苦労が伺えます。

その中には、昔美術の教科書で見かけた、フィンセント・ファン・ゴッホの《自画像》、ポール・セザンヌの《赤いチョッキの少年》もあります。この辺のラインナップを観ると、「学生時代の美術の授業で観たわー」と昔の友人と再会したような懐かしさを思えました。
まさか、これらが日本初公開の作品の一部だったとは、学生時代の私は露知らず、教科書を見ていたことでしょう。

会場内の個人的おすすめポイントを紹介!

まず、構成は「印象派登場まで」「印象派」「紙の上の印象派」「ポスト印象派以降」の4部構成です。
3部目の「紙の上の印象派」に15回しか貸し出されない
紙を支持体としたの作品が並んでいます。
さて、少し前の文で「予習もしてなし、どれが初公開なのかわからない」と書きましたが、それは中に入って少ーしだけ解決できました。
日本初公開作品らしき物の一部には、作品の特徴やモデルの話など、解説パネルが添えられていました。ポイントとなる作品やおすすめの作品には付けられているようです。チェックしたところ、23点ほどにこのパネルが添えられていました。
京都開催時もおそらくあると思いますので、予習無しでも少しは楽しめます。もちろん、予習はしたことに越したことは無いのですがね(汗)。
それと、個人的におすすめしてみようと思う見方。
観に来ていた方のほとんどが、作品を間近で観て去っていってしまっていたのですが、私は、「間近で観る。次に遠目から観る。」を途中から行っていました。
作品の中には、遠目で観ると、全体の雰囲気やその写真のようなリアルさが分かるものがありました。
遠目から観ておすすめだったのは、ギュスターヴ・カイユボットの「スキフ(一人乗りカヌー)」や点描を使ったジュルジュ・スーラの「オンフルールの灯台」「ノルマンディのポール=アン=ベッサンの海景」です。
スキフは、最初「写真!?あれ?」と思ったくらいに、水面にリアルな透明感をありました。
スーラの2作品は、間近で見た丁寧な点描が作り出した、全体の優しい雰囲気に「なんか和むわー」とのんびりとした気分になりました。

特に、新国立美術館では広めの部屋になると真ん中にベンチがありました。腰掛けてのんびりと見渡すには打ってつけです。
京都開催時にも同じようにあるかは分かりませんが、無くても空いている時には、遠くから景色を見るようにゆったりと眺めるのもまたひとつの展覧会の過ごし方としておすすめだと思います。
せっかく1500円払うのだし、ここは満喫して心が「これでもか!」というくらいに満たされてから出ましょう!

最後はショップでの戦利品を紹介!

最後のショップでは、以下のものを購入しました。
ショップで買った限定グッズ
  • A5サイズのクリアファイル(400円)
  • ポストカード(100円)
  • 付箋セット(500円)
付箋は社内で大々的に活用したいと思います。
これでARTスタッフを少しでも絵画に触れさせることできそうです。
この他にも、ミニ額縁入り複製画やシール、マグネット、アメリカのお菓子、絵画をテーマにしたキャンディの詰め合わせなどが売っていました。
グッズのラインナップ・詳細は公式サイト「ワシントンナショナル・ギャラリー展」でも紹介されています。ご参考ください。
東京開催は、9月5日で終了し、9月13日はいよいよ京都市美術館すべてがやってきます!
ここで大事なので、もう一度言っておきます。
「12年ぶりの開催!」
「出展作品83点のうち50点が日本初公開!」
「常設コレクション作品9点の貸し出しは、『70年におよぶワシントン・ナショナル・ギャラリーの歴史上かつてない、そしてこれからもないであろう』という規模!」
「紙を支持体とした作品は、たった15回しか貸し出してはならないという制限のうちの大切な1回!」
こんな貴重な機会がすぐ近くに来ます。
是非、足をお運びくださいませ!

ワシントン・ナショナルギャラリー展
印象派・ポスト印象派 奇跡のコレクション

京都展:2011年9月13日(火)~11月27日(日)
会場:京都市美術館
(京都で遊ぼうARTではまた追って詳細をご紹介します!)
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