Exhibitions展覧会

知られざる複製の実力 ~コロタイプと文化財~

2019/10/26(土) 〜 2019/12/01(日)

虎屋 京都ギャラリー 

文化財の絵画・書籍などの複製に活用されているコロタイプ印刷。今回は法隆寺金堂壁画をはじめ、高松塚古墳壁画、御堂関白記など日本が誇る様々な文化財のコロタイプ複製を一堂に紹介。複製だからこそ可能な豪華ラインナップをお楽しみください。虎屋ならではの「究極の羊羹」コロタイプも登場します!

コロタイプは一般的な印刷とは異なり、撮影された写真フィルムをそのまま原版とする印刷技法です。自然な濃淡や階調の表現に優れており、墨の濃淡や日本画の繊細な筆致を余すことなく再現することができ、その顔料インキの保存性の高さから多くの国宝・重要文化財の絵画や書跡などの複製に活用され、今日まで文化財を後世に伝える役割を果たしてきました。

特にその有用性が発揮されたのが、昭和24年(1949)に火災で大きな被害を受けた法隆寺金堂壁画のコロタイプを用いた複製再現でした。明治よりコロタイプ印刷に取り組んできた京都の会社「便利堂」は、戦前に原寸大で法隆寺金堂壁画を撮影しており、これを用いたコロタイプ複製を下図とし、昭和43年に壁画を再現。これにより、コロタイプの文化財保護に果たす役割に注目が集まるようになりました。

今回の展覧会では、この法隆寺金堂壁画のコロタイプ複製をはじめ、現在は劣化が進んでしまった高松塚古墳の発掘当時の色鮮やかな姿を再現したコロタイプ複製、1000 年前に栄華を極めた貴族、藤原道長の筆づかいが見て取れる「御堂関白記」の複製などを展示。複製だからこそ一堂に会することができる豪華ラインナップをお楽しみいただけます。
また、今回の特別企画として、コロタイプを用いて制作した「究極の羊羹写真プリント」を展示します。嘗て文豪・谷崎潤一郎が名文『陰礼賛(いんえいらいさん)』にも記した、暗がりに沈めた羊羹の瞑想的な美しさをコロタイプで再現します。虎屋ならではのコロタイプ作品を、この機会にご覧ください。

【画像】
(1) 便利堂による法隆寺金堂壁画原寸大撮影風景 昭和10年(1935)
(2)コロタイプの印刷機とゼラチン版
(3)高松塚古墳壁画原寸大コロタイプ復元

 

便利堂

便利堂は、明治20年(1887年)に貸本屋として 創業し、明治38年(1905年)以降コロタイプという世界最古の写真印画技法を一世紀にわたり伝承 。単色のみであったコロタイプを独自に研究し、多色刷コロタイ プを日本で唯一可能にした。精緻で滑らかな表現力と高い保存性を 生かし、国宝、重要文化財などの文化財の複製品などを制作している。

展覧会概要

期間 2019/10/26(土) 〜 2019/12/01(日)
会場・開催場所 虎屋 京都ギャラリー
時間 10:00~17:00
休館日 11月25日(月)
料金 無料
お問い合わせ TEL:075-431-4736075-431-4736
FAX:075-431-1063
E-Mail kyotobunka@toraya-group.co.jp
ホームページ https://www.toraya-group.co.jp/toraya/news/detail/?nid=644&cid%5B%5D=13

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