Exhibitions展覧会

春季企画展「中国文房具と煎茶―清風にふかれて」

2019/03/02(土) 〜 2019/05/06(月)

泉屋博古館 

住友コレクションの核を形成した住友春翠は、中国の文人趣味に憧れ、中国文房具を数多く収集しました。日本では中国文房具は煎茶の流行によって広まり、近代では煎茶会での中国美術展示が展覧会のルーツとなりました。今回は春翠も親しんだ近代の煎茶会をイメージした展示で、文人の世界へ皆さまを誘います。

泉屋博古館所蔵の住友コレクションの核を形成した15代当主・住友春翠(1864~1926)は、中国の文人趣味に憧れ、中国文房具を数多く収集しました。世の喧噪を煩い、自然の中で哲学や芸術について語らう生活を理想とする文人によって愛好されてきた文房具。彼らの書斎(文房)を清雅の境地へと昇華させた飾り道具は、「文房具」と総称され、現代の私たちが想像するいわゆる「ステーショナリー」の範疇を大きく超えるものでした。紙や墨、硯、筆などの筆器具はもちろん、青銅器や花瓶、数珠や瓢箪まで、多様な世界が広がります。

こうした中国の文人趣味は、江戸時代以降、煎茶の流行によって日本に広まりました。漢詩文への素養を基に中国文化に親しんだ近世の文人らは、煎茶を片手に交流を深めました。文人趣味と結びついた煎茶には清らかな精神が見いだされ、その理念は「清風」と形容されるようになります。その茶席を、文房具が清らかに彩ったのです。

近代になると、現在の展覧会のルーツとも言える、中国の古銅器や書画などの展観席が煎茶会に併設され、芸術鑑賞の在り方を大きく変えました。しかし、煎茶を愛する人々の文人に対する憧れに変わりはなく、住友春翠もその一人でした。彼が煎茶をきっかけに収集した美術品は、現在、泉屋博古館収蔵品の重要な柱となっています。

今回の展覧会では、春翠が楽しんだ近代の煎茶会のしつらえをイメージした展示によって、清風そよぐ文人の世界へ皆さまをいざないます。この機会にご高覧下さい。

展覧会概要

期間 2019/03/02(土) 〜 2019/05/06(月)
会場・開催場所 泉屋博古館
時間 10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日 月曜日、4月25日・30日
※ただし4月29日・5月6日は祝日のため開館
料金 一般:800円
高校・大学生:600円
中学生:350円
小学生以下:無料
注意事項等 ※20名以上の団体は2割引きとなります ※障害者手帳をご提示の方は無料です ※上記料金で企画展・青銅器館両方の展示をご覧いただけます
お問い合わせ TEL:075-771-6411075-771-6411
ホームページ http://www.sen-oku.or.jp/

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