2016年3月に急逝した、高麗美術館第2代館長・上田正昭先生。
彼の提唱した、国を超えた民衆交流の実践と東アジアへの歴史視点は、高麗美術館の基本理念である“民際”へと受け継がれています。
1969年に「日本のなかの朝鮮文化」を創刊した当時から、上田先生が高麗美術館創設者・鄭詔文や作家・金達寿氏、そして司馬遼太郎氏とともに日本各地へ残した足跡は、ゆうに三十を超えます。こうした日本各地にある渡来人の痕跡を発掘する作業は、古代の朝鮮半島と日本の交わりを地方の視点から見直すという、歴史の新たな視座を開きました。
今回の展覧会では、4期に分けて上田正昭先生所蔵の「広開土王碑拓本」を全面展示するほか、雨森芳洲をはじめとした朝鮮通信使資料を公開することで、上田史学の幅広い視野を紹介します。
この機会にぜひご高覧ください。
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