Exhibitions展覧会

-庶民の信仰-円空・木喰展

2009/11/07(土) 〜 2009/11/29(日)

美術館「えき」KYOTO 

仏像は江戸時代には過去の作品の模倣が中心の停滞期に入ります。そんな時代に、全国各地をめぐり布教活動をしながら、庶民たちのために独創的な仏像や神像を彫り残していったのが、円空と木喰という二人の行脚僧でした。力強く野性味のあるタッチの円空と、表情豊かで柔らかな丸みが特徴の木喰。伝統の枠に囚われないその表現は、どこか現代彫刻をも思わせます。これらに関連資料をあわせた約200点を展示し、時代を超えて人々を魅了する二人の造形をご紹介します。


天平から鎌倉時代にかけて進化を続けていた仏像表現。
しかし、江戸時代になると過去の作品を真似ることが中心となり、停滞期に入ります。
そんな時代であった17、18世紀にそれぞれ活動していたのが造仏聖・円空と木喰でした。彼らは都を離れ、全国各地を巡る行脚僧として布教活動を行いながら、独創的な仏像や神像を彫り歩きました。庶民との交流を通して彼らが彫った木造の多くは、庶民たちの信仰の対象として大切に守り伝えられ、現在まで残されています。

円空(1632-1695)は武骨な作風が特徴で、荒々しくも自由奔放で力強い鑿(のみ)あとにより、デフォルメされた仏像を数多く彫り残しました。
32歳で仏像を彫り始め、64歳で入寂(没)するまでの30余年の間に、彼は12万体もの像を造ったとも言われるほどで、今までに確認されているだけでも円空仏は5,340体にものぼっています。
作品は一刀彫という独特の技法によってつくられています。これは、奈良や岐阜の飛騨高山地方で見られる技法で、実際、円空仏は岐阜県だけでも1000体以上あると言われます。この技法こそが、円空のゴツゴツとした武骨さのなかに不思議な微笑を見せる、その個性を大いに引き立てているといえます。

一方、木喰(1718-1810)の作風は表情豊かでとても柔和。
「微笑仏」と呼ばれる、柔らかな笑みをたたえた丸みのある、なんとも和やかな像を彫り残しています。彼は62歳になって初めて造像を始めましたが、それ以来80歳には一千体、90歳には二千体の仏像を造ることを誓願し、93歳で亡くなるまで像を造り続けました。現在、木喰の作品は710体余りが確認されています。

両者共に、それまでの伝統的な仏像表現の枠からは外れていますが、その素朴でシンプル、かつ大胆な表現はどこか現代彫刻を思わせるようなモダンさも感じさせます。

この展覧会では、円空と木喰が辿った土地に今もなお守り伝えられている仏像や神像のほか、関連資料等を含めた約200点を展示。それらを通し、時代を超えて人々を魅了し続けている二人の造形の世界をご紹介します。

展覧会概要

期間 2009/11/07(土) 〜 2009/11/29(日)
会場・開催場所 美術館「えき」KYOTO
時間 10:00~20:00(最終日は17:00まで/入館は閉館30分前まで)
料金 一般:800円(団体・前売・優待 600円)
高校・大学生:600円(400円)
小・中学生:400円(300円)
注意事項等 ※団体は10名以上 ※アイカード、JR西日本グループ会社カード(一部除く)をお持ちの方は、団体料金と同額の優待料金で入館できます 【チケット取り扱いプレイガイド】 ・ローソンチケット(Lコード 53487) ・セブンイレブン、am/pmなどの主なコンビニ ・イープラス、京都新聞文化センターなどの各プレイガイド ・JR西日本(京阪神地区)の主な駅のみどりの窓口
お問い合わせ TEL:075-352-1111(ジェイアール京都伊勢丹大代表)075-352-1111(ジェイアール京都伊勢丹大代表)
ホームページ http://www.wjr-isetan.com/kyoto/floorevent/index_7f.html

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