Exhibitions展覧会

ヨルク・シュマイサー遺作展 肉筆作品を中心に

2019/05/17(金) 〜 2019/06/08(土)

ギャルリー宮脇 

世界各地を旅し、その風景を描き続けた銅版画家ヨルク・シュマイサーの遺作展。今回は版画だけでなく、貴重な肉筆画を中心に構成した珍しい機会です。オーストラリアの荒野の岩山から南極氷原まで、各地の風景を肉筆と版画の境界なく精緻に描いたその作品を、この機会にご高覧ください。

2012年に死去した銅版画家ヨルク・シュマイサー。彼はドイツのハンブルクで美術を学んだ後、京都市立美術大学(現・京都市立芸術大学)大学院に留学。アジア各地を旅したほか、中東の考古学発掘調査や南極調査などにも参加しました。普通の芸術家が体験しないような旅行経験は、彼のインスピレーションの源となり、作風に大きな影響を与えています。それに卓越した版画技術が加わって生み出された作品は一種の旅日記であり、同時に幻想と現実が見事に一体化した独特のイメージを形作っています。

精緻で壮麗な銅版画を生涯作り続けたシュマイサーですが、生前はあまり発表はしませんでしたが肉筆画も手掛けています。世界各地を旅した彼は、オーストラリア荒野の岩山風景、アンコールワット遺跡の風化した女神像、水面の光が反射するベニスの建物、線も尺度も消失した南極氷原の光景など、各地で肉筆画を描きました。一枚の版から様々に異なる雰囲気の刷りを生み出すことに積極的だった彼は、一つの図像の微妙な、あるいは劇的な変化を、肉筆と版画の境界なく表現しています。

対象を見て描くことは、 “世界”の中に居る作者自身の存在を確認する行為。南極旅行で氷山に対峙した時、シュマイサ―はこのように語っています。
「その姿に対する自分の反応を創ろうと、他のどこにも同じ形では絶対に存在しないその姿を表現しようと考えたんだ。」

今回の展覧会は、銅版画家ヨルク・シュマイサーの肉筆作品を中心に展覧する珍しい機会です。加えてギャルリー宮脇では未発表のリトグラフやアクリル板エングレーヴィングなど銅版画以外の作品も出品します。この機会にご高覧ください。
 

ヨルク・シュマイサー

1942年ポメラニア(現・ポーランド)生まれ。ハンブルク造形美術大学にて美術を学び、1968年に京都市立美術大学(現・京都市立芸術大学)大学院に留学。その傍ら、1966~73年の間、イスラエルとギリシャの考古学発掘調査隊に記録・製図画家として度々参加する。1978年にキャンベル美術大学(現・国立大学附属)版画科主任教授に就任し、1997年の退官まで20年間在任した。一方、1989~90年には京都精華大学の版画科教授に招聘を受け、2002年からは京都市立芸術大学版画科教授を務めた(~2008年)。その間にも、フェローや招待芸術家としてプリンストン大学やエルサレム、中国・杭州、ヴェネツィア、オーストラリアなど各地で滞在政策を行った。また、学術プログラムやアートプロジェクトとして、インドとパキスタンの国境に近い秘境・ラダックや、カンボジアのアンコール遺跡、南極などを旅行し、その経験を生かした作品を発表した。
2012年、オーストラリアのキャンベラにて逝去。
作品はイギリスの大英博物館をはじめ、アメリカのニューヨーク近代美術館(MoMA)、パリ国立図書館(フランス)、ドレスデン国立美術館(ドイツ)、オーストラリア国立美術館、そして日本の町田市立国際版画美術館など世界各地に収蔵されている。

 

展覧会概要

期間 2019/05/17(金) 〜 2019/06/08(土)
会場・開催場所 ギャルリー宮脇
時間 13:00~19:00
※日・月曜休廊
料金 無料
お問い合わせ TEL:074-231-2321074-231-2321
ホームページ http://www.galerie-miyawaki.com/

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