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上田順平 個展「シン / エン」

2019/09/27 ~ 2019/10/26


【imura art gallery】

imura art gallery

ソウ/チ 2019 レンガ、テラコッタ、陶器、炻器、半磁器、磁器、ファインセラミックス Photo:Takeru KORODA

芸術における「やきもの」の可能性を探求し、多様な表現を展開する上田順平の個展です。
上田は、これまで「やきもの」が背負う文化や歴史、「うつわ」という概念、装飾と機能および用途に対しての問いから、それらの関係性に着目した作品を制作してきました。 2010年には、「五島記念文化賞美術新人賞」を受け、同年より(旧) 五島記念文化財団、(現) 東急財団の研究員としてメキシコに滞在しました。

今回の展覧会は、(旧)五島記念文化財団の助成を受け、本年1月に横浜市民ギャラリーにて開催された海外研修成果発表展での作品を中心に構成されます。

上田は、研修期間中に、メキシコの風土や文化、古代文明を伝える考古学資料に触れたことにより、長い時間の中で紡ぎ出され受け継がれてきた「やきもの」の変遷や、文明と技術と芸術の接点について考えるようになったと言います。 そして、水をすくう動作から生まれた掌のなかの水面の形に四角形を見たことから、原初から現在までのヒトの営為を繋ぐ手がかりとして四角形という図形に注目し、作品の要素としました。
一方、研修後の大きな変化として、これまで素材としてきた陶磁器に加え、レンガ、瓦、ファインセラミックス*1を作品素材に用いるようになりました。世界最古の建築資材の一つであるレンガと、焼き物の歴史の最先端に位置するファインセラミックス、そして、日本の風土から生み出され育まれ続ける瓦(淡路瓦)*2、それぞれが持つ文化的背景や物質の特色から作品素材として選択され、それらの焼き物だけが持つ材質感と色彩による表現を提示します。

イムラアートギャラリーの展示スペースは特徴的なレンガ床を呈しており、作品としてのやきものと現代生活の中で機能する焼き物の在り方や、作品と展示空間の豊かな色彩の重なりにもご着目いただけます。
これらの多様な「やきもの」を用いて、「最初の理の発見から今日までのヒトの営為と物質と時間の関係」を可視化し、観者の中に一つの体験を生み出すことを試みます。

*1 ファインセラミックス:ガラスや陶磁器などの仲間であり、その中でも精製された原料を用いて作られた高精密・高機能なセラミックス。自動車やスマートフォン等の部品として幅広く用いられています。
*2 淡路瓦:兵庫県淡路島で制作される日本三大瓦の一つ。淡路島特有の良質な土から作られ、煙で燻す事で表面に炭素の膜をつくる「いぶし瓦」を主体とします。粒子が細かく美しい仕上がりが特徴です。


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