Exhibitions展覧会

天牛美矢子 「O市は燃えていた」羊の毛皮・刺繍・アップリケ・綿にアクリルガッシュ 120×85cm、2018

布や革などを素材に、手芸技法を駆使した作品を手掛ける気鋭のアーティスト・天牛美矢子の個展です。主に神話や民話などから得たモチーフを作品とする彼女の今回テーマにしたのは星座。この機会にご高覧下さい。

昔から星座や星に関する神話は好きで、様々な国の伝説を読んできたけれども、基本的にそれらはうす悲しく理不尽であるものが多い。さらに悲劇的な話や、報われない主人公も、結果として星座にすれば万事方が付くとされている事に疑問を覚えると同時に興味を持っていた。熊に変えられた美女も、飢えた兄妹も、哀れな狩人も、彼らを憐れんだ神によって空に引き上げられ、星座として夜空を飾ることによってまるで報われたかのような扱いをうける。
不条理や悲劇は、星になり祀り上げることで救われるのだろうか。 ならば私も星座を作ってやろうと思った。 いくつかの悲しみを星の伝説になぞらえて語ることで救われるものがあるならば。
 

天牛美矢子

1989 大阪府生まれ
2015 京都市立芸術大学大学院 美術研究科 工芸専攻 染織 修士課程 修了
2014 Royal College of Art（英国） に交換留学