Exhibitions展覧会
【ALLNIGHT HAPS】2016後期 「私がしゃべりすぎるから/私がしゃべりすぎないために」
HAPS OFFICEの1階スペースを利用して終夜展示を行い、道路からウィンドー越しに作品を観覧するユニークな企画展。2016年度後期は、自身も画家として活躍する厚地朋子の企画展を開催。ショーケースギャラリーの特性を活かし、彫刻における触覚的な視覚性を問います。
「ALLNIGHT HAPS」は、HAPS OFFICEの1階スペースを利用して終夜展示を行い、道路からウィンドー越しに作品を観覧するというユニークな展示構成の企画展です。若手アーティストの作品発表や若手キュレーターの養成も目的としており、今年で4年目を迎えます。
2016年度後期は、自身も画家として活躍する厚地朋子の企画により「私がしゃべりすぎるから/私がしゃべりすぎないために」を開催いたします。展示空間に入ることができないショーケースギャラリーの 特性を活かし、彫刻における触覚的な視覚性を問う試みです。
企画者 STATEMENT
「ALLNIGHT HAPS」の大きな特徴のひとつに、作品と鑑賞者の間に絶対的に立ちはだかるガラス扉の存在があります。鑑賞者が作品に近寄りたくとも許されません。それは何ともはがゆいものです。本来、様々な角度から鑑賞されるべき作品が一方向からしか鑑賞できず全体が把握できない状況は、王座に君臨する何者かのようで、またコインに描かれた横顔の権力者とどこか似ていると思いました。
しかし、実際にALLNIGHT HAPS を鑑賞したときの経験から、これは立体や空間を扱う作品を展示するべきだと思いました。
ガラスを隔てた作品の在る空間に身体を置けなくとも、視覚は進むことができます。鑑賞者は制約の中で自分の思考と想像力を総動員し作品と向き合います。ものの全てを把握できない状況を積極的かつ肯定的に捉えたい。それは、目で触るかのようであって彫刻を絵画のように見るようでもあります。
高村光太郎は「触覚の世界について」で「私にとって此世界は触覚である」と述べています。絵描きである私にとってこのことは非常に新鮮なものでした。私はいささか触覚について無頓着であったと思うのです。そして自分と外界との完全なる分離を改めて認識しました。
この展覧会を作るうえで目指したことは、「内側の拡張」と「感覚の総動員」です。見えているものが全てではなく、見ることを通して手触りや音や匂いを感じ、さらにその奥にある何かを必死に感じようとする心と思考のトレーニング、とも言えます。
今回の展覧会では、手垢や手触りの多い作品を置きたいという欲求がありました。
舐め回すように遠くから見つめるだけで、満たされる気持ちと満たされない気持ちの両方をいっきに味わう。夜道に佇んで、想像力という力でガラスを超え、身体の心地よい置いてけぼり感を食らう。そんな風景を思い描いています。
花岡伸宏や對木裕里の作品には手垢や手触りがしっかり残っています。それらは思わず触ってしまいそうになります。山下耕平の作品は、この不自由な自由を楽しむことができる柔らかさがあります。吉田朝麻はさらに音を扱うことができます。音を通して、ガラスを超え鑑賞者と作品が触れ合うことができると考えました。
触覚というものは最も幼稚であり、最も根源的なものであるという高村光太郎の言葉と同時に、私は、いい作品に出会うとどんなメディアであれ触りたくなることを思い出しました。(厚地)
出展作家(展示日程)
花岡伸宏 10月1日(土)~31日(月)
吉田朝麻 11月8日(火)~30日(水)
對木裕里 12月4日(日)~1月4日(水)
山下耕平 1月12日(木)~2月12日(日)
【企画】厚地朋子
展覧会概要
期間 | 2016/10/01(土) 〜 2017/02/12(日) |
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会場・開催場所 |
HAPS OFFICE
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時間 | 19:00~翌日朝9:30(会期中無休) |
料金 | 無料 |
お問い合わせ |
TEL:075-525-7525075-525-7525
FAX:075-525-7522 |
info@haps-kyoto.com | |
ホームページ | http://haps-kyoto.com |
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