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美術館「えき」 わたせせいぞうの世界展

投稿:2014年6月30日

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エレベーターを降りたところが「サイン会場」で偶然わたせせいぞうさんをちらりと拝見した。
イラストの青年が年を重ねたような素敵な感じだった。

わたせせいぞうさんの絵と出会ったのは私がちょうど大学に通っていた頃。毎日のように喫茶店に行って友達とだべったりそれに飽きるとそこに置いてあった週刊誌を読むともなくパラパラとめくっていた時にひときわ目を引いたイラストを思い出す。
色がとってもキレイで光が満ち溢れていた。

そのころの日本はまさに高度経済成長期を駆け抜けバブル時代の幕が開けようとしているころだった。誕生日に親から車を買ってもらった友達もいた。海外旅行にも学生がどんどん行き始めたころだ。まさに世の中が光り輝いていた。
わたせせいぞうさんの世界は そんな世相を映し独特の「大人の世界」を作っていた。確かテレビの深夜番組に「ハートカクテル」というイラストにナレーションを乗せたものがあって大人の男女の出会いや別れが描かれとっても小粋でおしゃれ、エンディングに余韻があってなかなかよかった。
「若者」ではなくうるさくはしゃぎもしないしストレートな表現もない。「ひねり」や「どんでん返し」があってしみじみ楽しめる。

展覧会ではわたせさんがイラストを描き始めたころのものもたくさんあり、それらはミッキーマウスっぽかったりはては「のらくろ」を彷彿させるものもあった。それがどんどん洗練され違うものに変わっていった。16年もサラリーマンをされていたそうだが二足のわらじをやめてからはあのキレイな光に満ちた世界がずっと展開している。前半部分では何ページにもわたり台詞入りの原画が出ていてそれを一コマづつ読んでいくのでなかなか進まないが読み飛ばしてしまうにはあまりに惜しいのである。

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主人公の女性がいつも和服を着ていて素敵な「菜」。私はここでそれを初めて見たのだが深い愛情に満ちた夫婦の間に深刻な不妊の問題も差し挟まれ通り一遍の幸せストーリーではない。主人公は悩みや苦しみを底辺にたたえているがあくまでも表面上は明るく健気な妻なのである。私はこれを買って家でじっくり読んでみようと思った。
 



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