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「ゆったりとした時間の中で」~めぐるの京都移住記

投稿:2016年12月12日

「京都人はよそ者に厳しい」
 
そんな印象が強かったので、正直初の京都は緊張だらけでした。加えて2ケ月ほど前に東海地方から単身引っ越してきたため、寂しい。社会人ともなると、学生時代のように新しい友達もできにくく、家でぼーっとしていた時に、ふと思いついたのです。
 
「あ、写経に行こう」
 
元々、思考に脈絡がなく思い立ったら即行動!がモットーなので、思いついたテンションのまま落ち着いて写経ができる場所を早速検索しました。そこで見つけたのが、御寺泉涌寺別院 雲龍院。紹介文によると「観光客も少なく穴場」とのこと。本当かな…。年中観光客だらけの京都に果たしてそんな場所はあるのか、半信半疑ながら次の日の8時に出発しました。京都駅から乗り継いで東福寺駅で下車すると、人、人、人…。ネットの嘘つきーと内心思いながら歩みを進めていくと、紅葉で有名な東福寺が見えてきました。そしてどうやらこの人混みの目当てはここだったようで、一気に人が流れ込みます。人混みをかき分けてさらに進むと、一気に閑静な住宅街に…。ん?果たしてこの道で正しいのか…?不安と動揺を隠しつつ、「私はこっちに用事がある」という態度を保ちつつ、さらに15分ほど歩いて山道を登ると…・見えてきました雲竜院!確かに人も少なく外界から離されたかのような静かさ!院内に入る前に期待が高まります。
 
写経体験ですか…?はい、もうぜひ体験してください。最初から最後まで完璧でした。
 
まず写経を始める前に、お清めの水とお香を手と頭につけてもらい、自然と背筋がピシッとなりました。写経は「願いを込めて一文字一文字書いてください」と言われたので、時間をかけて丁寧を心がけて…、途中自分の字の下手さにくじけそうになりましたが、何とか書ききりました。普段は、スマホをいじっていたりテレビをつけていたりで「静かな空間」というものがあまりなかったのですが、真の静寂って本当に心が洗われる思いです。家で考え事をしていると、いろいろ思い詰めてしまうことが多いのですが、こういったすがすがしい空気の中だと、自然と前向きな気持ちになれます。不思議ですね。写経した後はお寺にお納めさせていただきました。電車に乗っている時も、なんとなーくスマホを眺めてしまって「静かに集中する」機会がないので、あえてそういった時間をとることも素敵なことかと思います。雲龍院は、庭園も整っていてすごく綺麗です。「走り走り大黒天」という珍しい大黒さまも見られますよ。なんでもかの有名な出雲大社と同じくらいご利益があるともいわれているらしく、一見の価値ありです。
 
お寺を出ると、なんだか現実に戻ってきた気分…。でももう少しこの浮世離れ感を味わいと足を運んだのが「月と6ペンス」という小さなカフェ。普通の住宅用マンションの一室にひっそりとあるカフェで、ビル名を知らなかったら100%迷っていました。ドアの前まで来ても、「本当にここ…?」と疑ってしまうような外観で、中に入ると、さらに驚き。カウンターのみの店内はまさに静寂で、本をめくる音と、コーヒーを淹れる音しか聞こえません。雑音が一切ないので、どっぷりと自分の世界に浸ることができます。
 
ここでも、いろいろな事を考えました。実は、私は前職をやり切ることなく途中でドロップアウトしました。先輩も上司も、こんな私に優しく接してくれたとても良い人達だったけれど、残業続きの毎日に疲弊しきって途中で辞めてしまったのです。そして不思議な縁もあり、京都に転職してきました。静かに流れる時間は本当に何年かぶりでした。持ってきた本を読みながら、耳をすますと時折聞こえる雨音、誰かが店内を歩く音や普段は意識しないような音も、いい感じにBGMに思えて心地よく思えてきました。更にこの、特に何も考えるわけでもなくぼーっとしている感じ。身体中から出てくる老廃物がボロボロでていく気がします。ごちゃごちゃ考えていたことも、ゆっくりと頭の中で整理されて気持ちが落ち着いてきました。
 
扉一つ隔てた向こうに見つけた、私のお気に入り。一歩足を踏み入れるとまるで別世界にきたように思える場所が、京都にはたくさんある気がします。これからそんな場所を開拓していけるのが楽しみでなりません。
 
文責:めぐる


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