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【レポ】KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭2022 セルフツアーレポ

2022/05/02

最早京都の名物アートイベントのひとつとなった「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」。今年で10回目を迎え、5/8まで京都市内各所で沢山の関連展覧会が開催されています。

こちらに、天気の良い日を見計らって一度に複数の展覧会を巡る"セルフツアー"を敢行してみました!今後KYOTOGRAPHIEを巡ってみたい!という方も今年は難しいけどどんな雰囲気か見てみたい...という方も、どうぞ気軽にご覧ください♪

▽ KYOTOGRAPHIE2022の詳細はこちら

https://www.kyotodeasobo.com/art/artevents/KG2022/

①スタート:八竹庵(インフォメーション)

KG2022_repo (2).jpgこの日のスタートは午後1時。お昼ごはんを済ませてから、まずは地下鉄・烏丸御池駅から徒歩5分ほど、新町通沿いにある「八竹庵」へ。こちらが2022年のKYOTOGRAPHIEのインフォメーションセンターになっています。
八竹庵の建物、本来の名前は旧川崎家住宅といい、伝統的な和風建築と洋館(京都市役所の建物などを手掛けた武田五一設計)が連結している大正生まれの和洋折衷建築です。以前は「紫織庵」という名前でギャラリー美術館として使われていました。

こちらでは複数の有料会場を楽にまわることができるパスポートチケットの購入の他、荷物を預けられるクローク、建物前にあるレンタサイクルを利用することもできます。
展覧会巡りの前にはこちらに立ち寄るのがおススメ。

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建物内には休憩スペースや過去のKYOTOGRAPHIEや関連イベントの様子を紹介しているアーカイブス、関連グッズや書籍のショップもあります。また、こちらでも展覧会が開催されているので、中も要チェック!

② アーヴィング・ペン展(京都市美術館別館)

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続いて地下鉄で東山駅へ移動、岡崎公園内・京都市美術館別館で開催されているアーヴィング・ペン展へ向かいました。(京都市京セラ美術館ではないので要注意!ロームシアター京都の裏手にある建物です)

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アーヴィング・ペンは戦後アメリカを代表するフォトグラファー。雑誌『VOGUE』で70年近くに渡り活躍しました。展示品は彼の代表ジャンルであるファッション広告、ポートレート、静物が中心です。シンプルでエレガント、どこか絵画のような味わいのある構図の切り取り方が印象的。

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展示室の構成は撮影スタジオのイメージだそうで、ギザギザの壁配置は実際にペンの仕事場のセットから膨らませたものだとか。写真を通してペンと一緒にファインダーを覗いているような感覚を覚えました。

▽詳細はこちら

https://www.kyotodeasobo.com/art/exhibitions/KG2022_IP/

③建仁寺両足院:奈良原一高「ジャパネスク《禅》」

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次は建仁寺・両足院へ。こちらへは時間の関係でタクシーを使いましたが...電車の場合は京阪電車で祇園四条駅まで移動するのが良さそう。岡崎公園からなら自転車でも行けそうです。両足院の入口は、祇園・花見小路側の門から建仁寺の境内に入るとわかりやすいですよ。

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こちらでは日本を代表する写真家・奈良原一高の名作「ジャパネスク」から禅寺の僧侶たちを写したシリーズ《禅》をピックアップした展覧会が開催されています。禅寺を撮影した作品を実際に禅寺の中で鑑賞できる、まさにKYOTOGRAQHIEならではの贅沢!お寺の建物や庭の空間も交えて作品の世界を味わえます。

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個性ある会場に合わせた展示方法も見どころ。襖の枠を利用して展示パネルをつけているのは和室ならではのアイディアです。また、箱型の枠のような展示パネルには、内側にそれぞれ異なる模様の料紙があしらわれています。枠を通して庭や室内を覗いてみると、景色が絵や写真のように切り取られて見えます。写真家のまなざしを追体験しているようです。

▽詳細はこちら

https://www.kyotodeasobo.com/art/exhibitions/KG2022_NI/

④ASPHODEL:プリンス・ジャスィ「いろのまこと」

KG2022_repo (12).jpg次は祇園のASPHODELで開催のプリンス・ジャスィ展へ。ASPHODELは建仁寺からは徒歩10分程度です。
通り沿いにバーン!と貼られた巨大なタペストリーが目印。祇園の街の中でこの鮮やかな色合いの作品は目が釘付けになります。

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中に入ると作品も内装も超カラフル、まるで色の洪水のような空間に圧倒されてしまいます。アフリカのガーナ出身のプリンス・ジャスィは、主に自分の故郷・アクラやそこに住む人たちを被写体に、iPhoneを駆使して撮影。共感覚の持主である彼は、撮影した作品に自分のインスピレーションで色加工を施しこのカラフルな世界を作り出しています。会場では制作の様子を紹介したビデオの上映も。

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この色鮮やかな世界の中でも、被写体の人々の存在感が薄れることはありません。むしろその姿が、シルエットが色の上に浮かび上がっているかのよう。これは黒人の人たちの肌の色がどんな鮮やかな色にも負けない、強さと美しさを持っていることの表現でもあります。みんな、カッコイイ!

▽詳細はこちら

https://www.kyotodeasobo.com/art/exhibitions/KG2022_PG/

⑤出町枡形商店街:プリンス・ジャスィ「いろいろ キョウト-アクラ」

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プリンス・ジャスィの展示は出町桝形商店街でも開催されています。こちらは祇園四条駅から出町柳駅まで、京阪電車一本ではしごできますよ。
こちらで展示されているのは、商店街のお店の商品や備品をガーナ・アクラの人たちが使っている様子を収めたコラボ作品。本来はプリンス・ジャスィ自身が京都に滞在して撮影を行う計画だったところ、時世的な問題もあって断念。そこで商店街の品々をガーナに送って、撮影してもらったのだそうです。

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牛乳瓶の箱に座って漢字のシャツを着てジュースを飲んでいる子ども、浴衣をアレンジして着こなしている人、スーパーの買い物かごを頭に乗せて運んでいるお母さん...違和感がない!
日本で見慣れた日常の品々とアフリカの人の素敵なコラボレーションです。商店街の景色ともよく馴染んでいます!

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ここでの展示作品は、商店街内にあるKYOTOGRAPHIEのスペース兼カフェ「DELTA」でまとめて見ることができます。こちらでコーヒーをいただいてセルフツアーは終了。時刻を見ると16時半頃、ちょうど夕方でした。お疲れ様でした!

▽詳細はこちら

https://www.kyotodeasobo.com/art/exhibitions/KG2022_PG/


少し駆け足でしたが、昼から夕方までの3~4時間程度でこれだけ展覧会を楽しむことができました!今回は主に東山エリアを中心にしましたが、インフォメーションで自転車を借りて烏丸御池など街中を中心にめぐるもよし、もう少し離れたところを狙ってみるもよし。目的地や手段次第で色々なアートツアーが楽しめるのが、広範囲のアートイベントの面白さです。

ぜひアートを楽しみながらの京都のまち巡りにチャレンジしてみてください!

※掲載画像はプレスとして許可を頂いた上で撮影させて頂いたものも含まれます。会場ごとに撮影の規定が異なります(単体接写禁止、フラッシュ禁止など)ので、会場にて確認をお願いいたします。

■ KYOTOGRAPHIE2022(5/8(日)まで)
https://www.kyotodeasobo.com/art/artevents/KG2022/

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