Exhibitions展覧会
VANISHING POINT/消滅点
藤永覚耶、前谷康太郎、宮崎雄樹の3名の作家と展覧会キュレーター・宮下忠也による展覧会。絵画における一般的な透視図法である「消失点(=Vanishing Point)」を、今日的な表現における「消滅点」という特異点に展開 させ、作家・作品への新たな読解きを提示します。(2期制)
藤永覚耶、前谷康太郎、宮崎雄樹の3名の作家と展覧会キュレーター・宮下忠也による展覧会です。
タイトルにある「Vanishing point/消失点」は、絵画における一般的な透視図法で、平行線が1点に収束することで画面上に奥行きを与え、三次元的空間を構築します。同時に、鑑賞者の視線を意識的に引き込み、作品の主題や描き手の意図を示唆する役割も担っています。
この展覧会のキュレーターである宮下忠也(みやした・ただや)は、この視点を展開させ、今日的な表現の中に消失点ではなく「消滅点」という特異点を見出し、そこから作家・作品へのひとつの読み解きを構築しています。
また、他の出展作家3名の作品には、いずれも明白な「消失点」はなく、独自の技法による「Vanishing point」=「消滅点」が導入されているといえます。
藤永覚耶(ふじなが・かくや)は、2012年にGallery PARCで個展を開催し、以降2013年の「APMoA Project, ARCH Vol.6 藤永覚耶」(愛知県美術館/愛知)や2014年の「BIWAKOビエンナーレ」への参加など、積極的な発表を続けています。彼の作品は、染料インクの点描による図像をアルコールで溶かし、図像が消滅する寸前に現れる「イメージが個人の主観から開放され、広く共有される瞬間」を画面に定着させようと試みています。
2014年の「further/nearer : emergencies!021」(ICC/東京)が記憶に新しい前谷康太郎(まえたに・こうたろう)は、構造上の特性によ り明確な像を結ばない自作の撮影機によって、世界を抽象化されたフォルムと色彩や光の明滅にまで還元する作品を発表しています。それは「わたしたちが見ているもの」への問いとともに、見るという「行為」そのものの本質を鑑賞者に共有させるかのようです。
2013年の「シェル美術賞展2013」において審査員奨励賞を受賞するなど注目を集めている宮崎雄樹(みやざき・ゆうき)は、アクリル絵具 による風景画を蜜蝋でコーティングし、その上から油絵具で加筆するという手法を用いた絵画制作を続けています。乳白色の蜜蝋は中間層となって「向こう」と 「こちら」をつくり出し、そこに距離感とズレを生じさせることで、人間の記憶の曖昧さや意識の揺らぎを取り込み、絵画と鑑賞者をゆるやかに合流させます。
ここに見られるそれぞれの「消滅点」は、いずれも異なる意識・要求や技法によって作品に内包されたものです。しかし、個々の表現にとって大きな役割を果たしているのは間違いありません。
宮下はそれぞれの作品への理解を深めるための共通項として、「消滅点」というテーマを挙げます。そして「今日の私たちの体感覚に則した、広く共有しうる世界観なのではないでしょうか」と、鑑賞者に作品を通じた世界への読み解きを促します。
今回の展覧会は会期を「sequence:A」(12月2日[火]~14日[日])と「sequence:B」(12月16日(火)~28日(日))の2期に分けて、3名の作家の作品を展示します。それぞれ作品・構成を変化させた展示をぜひご高覧ください。
出展作家
藤永 覚耶 http://kakuyafujinaga.com/
前谷 康太郎 https://www.flickr.com/photos/__ktr__mtn/sets/72157627659799042/
宮崎 雄樹 http://www.miyazakiyuki.com/
宮下忠也(本展キュレーター)
展覧会概要
期間 | 2014/12/02(火) 〜 2014/12/28(日) |
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会場・開催場所 |
Gallery PARC
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時間 | 11:00~19:00(金曜日は20:00まで/日曜日は18:00まで/月曜休廊) ※この展覧会は2期制です。A・B期で展示替がございます。 「sequence:A」12月2日(火)~14日(日) 「sequence:B」12月16日(火)~28日(日) |
料金 | 無料 |
お問い合わせ |
TEL:075-231-0706075-231-0706
FAX:075-231-0706 |
info@galleryparc.com | |
ホームページ | http://www.galleryparc.com |
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