Exhibitions展覧会

宇宙と水晶を組み合わせた心象的光景を木口木版画で製作するようになって四半世紀余りが過ぎました。六十歳になって＜生起＞と＜消滅＞をとくに意識するようになり、意識作用における生起と消滅との境界を意味する「識閾（しきいき）」、また仏教用語で対象を識別する心の働きを意味する「識」を併せて作品に表現したいと思うようになりました。（齋藤）

現代木口（こぐち）木版画を代表するベテラン作家・齋藤修が、この十年にわたって取り組んできたシリーズ作品『Neverland ”識”』全10点を一堂に展示します。また、作者が近年手がけるようになった「青」の絵画を、この度ギャルリー宮脇にて初めて発表します。
精緻なモノクロームの木版画と、大胆な筆致と色彩による絵画との対照的な世界に、作者が探究する宇宙観-薄板界-をお楽しみください。

※初日3月8日（土）17:00～19：00、作者を囲んだレセプションを開催します。

齋藤　修（さいとう・おさむ）

1946年 島根県生まれ。 日本版画協会会員、版画京都展実行委員会委員。