Exhibitions展覧会

『蘭花譜』No.40 パフィオペディルム・キング・アルバート アサヒグループ大山崎山荘美術館蔵
『蘭花譜』No.40 パフィオペディルム・キング・アルバート アサヒグループ大山崎山荘美術館蔵
『蘭花譜』No.72 レリオカトレヤ・ペレウス「オオヤマザキ」アサヒグループ大山崎山荘美術館蔵
『蘭花譜』No.72 レリオカトレヤ・ペレウス「オオヤマザキ」アサヒグループ大山崎山荘美術館蔵
アサヒグループ大山崎山荘美術館 外観
アサヒグループ大山崎山荘美術館 外観
中村清太郎「大山崎山荘図会」(1932年) アサヒグループ大山崎山荘美術館蔵
中村清太郎「大山崎山荘図会」(1932年) アサヒグループ大山崎山荘美術館蔵
加賀正太郎
加賀正太郎

加賀正太郎没後70年・ニッカウヰスキー90周年記念「蘭花譜と大山崎山荘 ― 大大阪時代を生きた男の情熱」

2024年は、大山崎山荘を造った実業家・加賀正太郎(1888-1954)が66歳で没してから70年、そして彼が設立に貢献したニッカウヰスキーの創立90年の節目にあたります。これを記念して開催する本展では、加賀の足跡をたどるとともに彼が後世に残した貴重な財産である大山崎山荘、そして『蘭花譜』について、広くご紹介します。

加賀正太郎は、近世から近代に渡り経済の中心地として発展した、大阪・船場(現・大阪市中央区)に生まれました。実家は江戸時代から続く豪商で、加賀正太郎自身も1920~30年代に大阪が世界有数の大都市として発展した“大大阪(だいおおさか)時代”の只中で活躍した実業家でした。

そんな加賀は、若干22歳でヨーロッパを周遊した際、イギリスで見た景色や建物に大いに刺激を受けます。そして帰国後、木津・宇治・桂の三川が合流する大山崎の地にイギリスの建築様式を模した山荘「大山崎山荘」を建設しました。この山荘は、道路や建築、田畑や庭園、周辺の山林の植樹などいたるところまで加賀が自ら考案・設計に携わった、拘りぬいたものでした。
山荘には夏目漱石をはじめ多くの文化人や政財界人が訪れ、さながらサロンのような場所となっており、この人脈を通じて加賀は実業界で大いに活躍します。
ニッカウヰスキーの前身・大日本果汁会社設立への貢献は、加賀の代表的業績のひとつです。ニッカの創業者・竹鶴雅孝と偶然の縁で懇意となった加賀は、ニッカ設立時には筆頭株主として資金の大半を出資。亡くなる直前までその行く末を案じ、会社の存続に尽力しました。

また、大山崎山荘は洋蘭栽培の一大拠点ともなっていました。イギリスのキュー王立植物園で目にした洋蘭栽培に魅了された加賀は、山荘の裏手に設けた温室で自ら1万鉢近くの蘭を栽培、いくつもの交配種を生み出すなど業績を遺しました。なかでも加賀が栽培していた蘭の記録として制作した『蘭花譜』(1946年発行)は、学術資料的な価値だけでなく、江戸時代から続く錦絵の技術がこだわりの材料と職人の手仕事で極められ、美術品としても非常に高く評価されています。

本展では、往時の大山崎山荘の様子を伝える貴重な古写真、加賀の人となりを伝えるポートレイトや直筆文章などの関連資料の数々を紹介。『蘭花譜』については104点の図版(木版画83点・カラー図版14点・単色写真図版7点)すべてを一堂に公開します。加賀正太郎の足跡をたどるとともに、彼が後世に残した貴重な財産である大山崎山荘と『蘭花譜』を広く紹介します。

若き実業家が大山崎後に咲き誇らせた、蘭と文化の香りに思いを馳せるとともに、“大大阪”と呼ばれた時代のダイナミズムを感じてください。

展覧会概要

期間 2024/03/09(土) 〜 2024/05/12(日)
会場・開催場所 アサヒグループ大山崎山荘美術館
時間 10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日 3/11(月)、4/8(月)、4/15(月)、4/22(月)、4/30(火)、5/7(火)
料金 一般:1,100円(1,000円)
高大生:500円(400円)
中学生以下:無料
障がい者手帳をお持ちの方:300円
※()内は20名以上の団体料金です
注意事項等 状況により、やむを得ず予定が変更となる場合がございます。最新情報はアサヒグループ大山崎山荘美術館のホームページをご確認ください。
お問い合わせ TEL:075-957-3123075-957-3123
※総合案内
ホームページ https://www.asahigroup-oyamazaki.com/exhibition/rankafu/

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