Exhibitions展覧会

大槻香奈実験室その1 「16歳少女ポートレートを描く」

2014/08/15(金) 〜 2014/08/27(水)

【閉廊】gallery near 

京都出身の画家・イラストレーター、大槻香奈の個展です。自身の表現の可能性について自由に試す機会というコンセプトで「実験室」と題したこの展覧会では、最初の主題として16歳の少女をモチーフにした代表作「ポートレートシリーズ」を掘り下げます。

「一」2014年 455×333mm ケント紙・アクリル

京都出身の画家・イラストレーター、大槻香奈の個展です。

2007年より活動を開始した大槻は、主に少女をモチーフに、時代性だけでなく人間の持つ真理や死生観に向き合い 作品展開を行ってきました。アクリル画を中心に、ドローイングやコラージュ作品など表現は多岐にわたり、国内外から注目を集めています。特に10~20代の若い世代から絶大な支持を集めており、次世代を牽引する存在として期待を高めています。

今までの大槻が開催した個展では、時代背景により感じたものを自身の中で何度も思索し、はっきりとしたコンセプトを提示した上で作品として表現してきました。しかし今回は、自身の表現の可能性について自由に試す機会というコンセプトのもと、展覧会を「実験室」と定義づけています。
その最初の主題として、大槻が2009年より描き続けてきた16歳の少女をモチーフにした代表作「ポートレートシリーズ」を掘り下げます。

大槻はこのシリーズにについて
《少女的苦しみを永遠に忘れずにいたいという思いと、そこから解放されて生きたいという思いが混在してこのような形をとっているのだと自己解釈している。》と述べており、自己投影とは違った解釈から生まれたシリーズとして提示しています。また、《少女としての少女ではなく、少女の形をした16歳の「人間」を描く事が出来るように感じた》というときから、個人的に少女に込めて描いていた「苦しみ」から解放された、ともいいます。
つまり、今回は大槻が少女をモチーフに描いてきた今までの変遷に、思いをめぐらせることができる機会ともいえるかもしれません。

大槻が今まで提示してきた主題は、少女や蛹といったひとつのモチーフのなかに混在する多様性・変容性を伴うものが多く見られます。それは、大槻自身の根底にある卓越したバランス感覚と、物事を俯瞰的に冷静に見据えることができる客観性により、対象となるモチーフの多様性や神秘性を的確に捉えられるからではないでしょうか。
さらに、時代性を敏感に察知する力、時代に左右されない普遍的な仕組みや物事を求め、表現へと昇華する姿勢が合わさることで、大槻が生み出す画面はそのつど多様な変化を見せつつも、現代社会に生きる私たちに多くの共感と気づきを与えてくれます。

「実験室」の名の下に、「少女」という表層上において試される様々な技法的アプローチと、意味的な「少女」から脱却した表現において作品の本質を問い直し、人間としての可能性を見出そうとする今回の試み。どのような「実験結果」となるか、ご注目ください。
 

大槻香奈

1984年生まれ、京都在住。少女モチーフを通して、主にアクリル画で現代を表現している。
2007年より活動をスタートし、国内外問わず様々な展覧会に参加。国内では年一度のペースで個展を開催している。2014年1月には、約100坪を有す る The Artcomplex Center of Tokyo 地下1階スペースにて個展「生処に帰す」を成功させた。
イラストレーターとしても活躍の場を広げ、2013年にはは秋吉理香子「暗黒女子」や、東浩紀「クリュセの魚」など書籍の装幀画も手がけ、「ILLUSTRATION 2014」にも掲載されている。

展覧会概要

期間 2014/08/15(金) 〜 2014/08/27(水)
会場・開催場所 【閉廊】gallery near
時間 12:00~22:00(最終日は17:00まで)
料金 無料
お問い合わせ TEL:075-708-8822075-708-8822
FAX:075-708-8822
E-Mail info@blow-works.com
ホームページ http://blow-works.com/near.html

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