Exhibitions展覧会
冬期原画公開 御所から来た障壁画~〈大広間〉・〈黒書院〉帳台の間 ~
二条城二の丸御殿障壁画(重要文化財)原画を保存・公開している二条城障壁画展示収蔵館。令和6(2024)年度の冬期展では、京都御所から二条城へ移された障壁画に注目してご紹介します。
慶長8年(1603)、江戸幕府の初代将軍・徳川家康(1543-1616)が築城した二条城は、慶應3年(1867)の大政奉還によって幕府が終焉を迎えると、明治政府の所有となりました。その後、明治17年(1884)から京都市に下賜される昭和14年(1939)までの間、二条城は皇室の離宮「二条離宮」となりました。この間、桂宮家の御殿が本丸に移築され、建造物の飾金具が葵紋から菊紋に取り換えられるなど、皇室の離宮に相応しい体裁が整えられました。
この「二条離宮」時代には、二の丸御殿の〈大広間〉と〈黒書院〉、それぞれの帳台の間に、別の場所から来た障壁画が貼り付けられました。
〈大広間〉の狩野宮内筆《竜田風俗図》は、紅葉の名所・竜田川とその周辺の様子を描いています。〈黒書院〉の鶴沢深山筆《名所風俗図》は、富士と三保松原、いずれも和歌の神様を祀る住吉大社と玉津島神社の景観、そこを訪れる人々・暮らす人々の様子を生き生きと描いています。また、〈大広間〉の狩野永伯筆《武蔵野図》は、武蔵野の薄野原にぽっかりと浮かぶ月と秋草を描いており、秋の風情を感じさせます。
これらの障壁画は、正徳5年(1715)から享保元年(1716)までに京都御所に建てられた「女御御殿」の中にあった「姫宮御殿」の障壁画であったとされます。女御御殿の主・近衛尚子(1702-20)の没後、享保12年(1728)に姫宮御殿は撤去されており、その障壁画のみが現在に伝わりました。
数奇な運命をたどったこれらの障壁画は、二の丸御殿に残る離宮時代の痕跡であるとともに、18世紀の御所文化を今に伝える、貴重な作品群です。
この機会にぜひご高覧ください。
展覧会概要
期間 | 2024/12/23(月) 〜 2025/02/23(日) |
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会場・開催場所 |
元離宮二条城(二条城障壁画 展示収蔵館)
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時間 | 9:00~16:30(入館は16:45まで) ※二条城の入城受付は16:00まで |
休館日 | 会期中無休 |
料金 | 100円(二条城への入城料は別途必要です) |
注意事項等 | 状況により、やむを得ず予定が変更となる場合がございます。最新情報は二条城の公式ホームページをご確認ください。 |
お問い合わせ |
TEL:075-841-0096075-841-0096
FAX:075-802-6181 |
ホームページ | https://nijo-jocastle.city.kyoto.lg.jp/ |
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